社会|2024年8月26日掲載

インプラントを長期安定させるための治療計画、構造体、メインテナンスについて語られる

Club22、30周年記念大会を開催

Club22、30周年記念大会を開催

 さる8月25日(日)、富士ソフトアキバプラザ(東京都)において、Club22 30周年記念大会が、「30年の経過から学んだClub22が考える全てのインプラント治療に通じる長持ちさせるためのルールとは」をテーマに開催され、150名を超える参加者を集めた。

 Club22は、骨結合型インプラントの開発者であるProf. Per-Ingvar Brånemarkが唯一顧問を務めたスタディグループであり、小宮山彌太郎氏(東京都開業)を中心にインプラント治療の質の向上とその普及を目指して活動している。

 プロローグでは小宮山氏、西村 眞氏(大阪府開業)が登壇。小宮山氏は自身が手掛けた長期症例を供覧し、目前の術式、システムに重きを置くのではなく、長期間にわたる患者のQOLの改善とその維持、満足といった目的を忘れないでほしいと述べた。また、西村氏はClub 22の成り立ちや歴史を解説した。

 セッション1では「インプラントの治療計画」をテーマとして、岡田隆夫氏(大阪府開業)、古賀剛人氏(千葉県開業)、松島正和氏(東京都開業)が講演。なかでも古賀氏は、「インプラントの治療計画再考―天然歯保存と抜歯の判断―」と題した講演で、トロントスタディにおいて最初の根管治療が失敗となるケースの70%は術後1年以内に起こるとされているため、最低1年は経過観察すべきだと話した。ディスカッションでは、上顎左側第一大臼歯を歯根破折した症例のデンタルおよびパノラマX線写真を供覧しながら、どのように治療計画を立てるかをそれぞれ述べ、各治療法のメリットとデメリットを患者に伝えて治療の進め方を話し合うことが重要だとした。

 セッション2では「インプラント構造体の選択」について、夏堀礼二氏(青森県開業)、中居伸行氏(京都府開業)、白鳥清人氏(静岡県開業)が登壇。特に中居氏は、セメント/スクリュー固定の辺縁骨吸収について有意差がないという報告があるため、固定方法は本質的な問題でなく残存率にも影響をもたらさないと考えるが、セメント固定の場合は粘膜貫通部の形態、部位、マージン深度、セメントの種類に留意して慎重に使用することが重要だと述べた。ディスカッションでは、セメント/スクリュー固定の使用割合について3者ともほとんどスクリュー固定だと話した。

 最後のセッション3では「インプラントのメインテナンス」をテーマに、石川明寛氏(東京都開業)、朴沢一成氏(岩手県開業)が講演し、上顎洞を扱う処置や耳鼻科との連携事例、複数のメーカーのインプラントが埋入されている場合の事例について解説した。

 各講演後のディスカッションでは、提示された症例写真から考えうる治療方法をそれぞれの登壇者が説明するなどして盛り上がりを見せた。

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