社会|2024年8月30日掲載

佐々木 猛氏が「患者一人ひとりに真に調和した咬合面のつくりかた ~Gnatho-Guide Occlusion(GGO)の提案~」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第57回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第57回WEBINARを開催

 さる8月29日(木)、佐々木 猛氏(大阪府開業)による第57回WEBINAR「患者一人ひとりに真に調和した咬合面のつくりかた ~Gnatho-Guide Occlusion(GGO)の提案~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、佐々木氏が本年7月に上梓した同題書籍の内容をベースに行われた。

 講演前半は、咬合の基本について解説。氏は「咬合異常の診療ガイドライン」(日本補綴歯科学会)より、「安定した咬合を得るための3つの基準」として、(1)咬頭嵌合位が顆頭安定位にあること、(2)咬頭嵌合位への閉口時に早期接触がなく安定した咬合接触があること、(3)偏心滑走運動時に咬頭干渉がなく適正なガイドがあることを挙げた。なかでも(1)がもっとも重要であるとした。

 次に、治療咬合(咬合再構成)の基本について解説。症例を供覧しつつ、予後の長期安定には安定した咬合が必須になるとした。続けて、歯周疾患が悪化した場合の症例も供覧し、歯周補綴を行う際の咬合(アンテリアガイダンス、咬合湾曲、咬合傾斜角の関係)についても詳説した。

 講演後半では前半の内容をふまえたうえで、氏が考案した「Gnatho-Guide Occlusion(GGO)」について解説。Lab Scannerを用いてスキャンされデジタル上で再現された咬合模型や、口腔内の写真を供覧しながら、その8つのステップについて紹介した。この手法によって製作されたファイナルプロビジョナルレストレーションを患者に使用してもらうことで、すべての顎運動を上書きし、それをもとにジルコニアの最終補綴装置を製作することで、咬合調整の必要がほとんどなくなると述べた。

 講演の最後には、希望的観測であると前置きしたうえで「GGOの目指す未来」は「Craniofacial Growthを可及的に抑制し、歯列、咬合の真の長期的安定を獲得すること(インフラオクルージョンの防止)」であると結んだ。

 講演後の質疑応答では、口腔内スキャナーを使用する方法との違いや、プロビジョナルレストレーションを仮着する際に使用するセメントの種類についてなど、さまざまな質問が寄せられ、佐々木氏はその1つひとつにていねいに回答した。

 本講演の振り返り配信は2024年11月29日まで購入可能である。次回のWEBINAR #58は、きたる9月5日(木)、鈴木宏樹氏(福岡県勤務)、吉岡和彦氏(福岡県開業)、松村香織氏(福岡県勤務)を招聘し、「口腔機能低下症の臨床応用2024 ~口腔機能精密検査・保険算定から臨床における検査結果活用まで~」の講演タイトルで開催予定。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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