社会|2024年9月6日掲載

鈴木宏樹氏、松村香織氏、吉岡和彦氏が「口腔機能低下症の臨床応用2024 〜口腔機能精密検査・保険算定から臨床における検査結果活用まで〜」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第58回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第58回WEBINARを開催

 さる9月5日(木)、鈴木宏樹氏、松村香織氏(ともに福岡県勤務)、吉岡和彦氏(福岡県開業)によるWEBINAR#58「口腔機能低下症の臨床応用2024 〜口腔機能精密検査・保険算定から臨床における検査結果活用まで〜」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、鈴木氏らの著書『患者さんにしっかり説明できる口腔機能低下症読本 導入実践・保険算定 かんたんガイド』の内容をベースに行われた。

 初めに、鈴木氏は口腔機能低下症の定義を説明し、咀嚼・嚥下機能についても詳しく解説。また、地域歯科診療所受診者の口腔機能低下症の罹患率は約半数であったという報告もあることから、医院に通えるうちから口腔機能を診ることが重要であるとした。

 その後、松村氏が口腔機能精密検査の7項目と保険算定のポイントについて詳説。検査は年齢に関係なく行うことができ、患者の状態に合わせてできるだけ7項目すべて行うのが良いとした。また、算定するのが目的ではなく、検査を行い低下している機能のリハビリテーションをして改善していくことが重要だと強調した。

 そして、再び鈴木氏が口腔機能低下症のリハビリテーションについて説明。唾液分泌量促進のための唾液腺マッサージや、口唇・舌の可動域拡大訓練である「あいうべ体操」などの指導例を示し、取り組みやすくするために、なるべく簡単で数も少ない方法を提案するのが良いと話した。

 最後に、吉岡氏が口腔機能精密検査の臨床応用について解説。インプラント治療や矯正歯科治療を行った患者への応用例を供覧し、口腔機能が低下していたとしても患者本人が自覚していることは少ないため、自院では治療前後に口腔機能を測定しているとした。

 講演後の質疑応答では、検査頻度の目安に関する質問が寄せられ、口腔機能低下症患者については基本的には保険算定に則り3か月に1回で、現状口腔機能に問題がなく元気な患者については1年に1回程度で問題ないとした。

 なお、本Webセミナーの振り返り配信は、2024年12月5日まで購入が可能である。次回のWEBINAR#59は、きたる9月25日(水)、黒江敏史氏(山形県開業)を招聘し、「なぜ起きる? NCCL」が開催予定である。両セミナーの申込みはこちらから。

関連する特集