社会|2024年11月18日掲載

「インプラント補綴を考える」をメインテーマに掲げ約220名が参集

デンタルコンセプト21、2024年度総会・年次学術大会を開催

デンタルコンセプト21、2024年度総会・年次学術大会を開催

 さる11月16日(土)、17日(日)の両日、TKP田町カンファレンスセンター(東京都)において、デンタルコンセプト21 2024年度総会・年次学術大会(木津康博大会長・会長)が、「インプラント補綴を考える」をメインテーマに開催され、約220名が参集した。

 初日は、まず会員発表が行われ、小岩竜太郎氏(岩手県開業)、山﨑 陽氏(熊本県勤務)、津川順一氏(東京都開業)、箱崎達司氏(香川県開業)、川端一裕氏(北海道開業)、田中洋一氏(神奈川県開業)、吉里英治氏(歯科技工士、fakelab.)が登壇。ナビゲーションシステムの臨床応用やジルコニアの選択基準、ソケットシールドテクニックなどさまざまなテーマで発表された。そして、教育講演では山田陽子氏がインプラント治療におけるデジタル化について、三好敬三氏(ともに東京都開業)が中心位を採得する方法であるDr. Peter E. Dawsonが提唱した「ドーソンテクニック」について説いた。

 2日目は、初めにメインテーマに則った形で特別講演が2題行われた。「高齢者に対するインプラント補綴を考える」と題して登壇した和田誠大氏(大阪大学大学院)は、口腔と全身のかかわりについて解説し、また歯科訪問診療におけるインプラントのトラブル対応に関する症例を供覧しながら、IOD(インプラントオーバーデンチャー)は患者にとってアタッチメントが清掃しにくいこともあるため注意が必要とした。もう1題は「アンテリアハイパーファンクションとインプラント治療:その有効性と問題点」と題して、荻野洋一郎氏(九州大学大学院)が登壇。アンテリアハイパーファンクションとは下顎前歯の過大な咬合力のことで、改善するためには臼歯部咬合支持の回復、咬合高径の再考、上顎前歯部の補強、下顎前歯部咬合力のコントロールが必要であると話した。

 昼休憩を挟んだ後の教育講演「多数歯欠損症例へのインプラント治療戦略」では、中村社綱氏(熊本県開業、当会顧問)が登壇し、上顎臼歯部の欠損から前歯部へ欠損が急激に拡大する「上減の歯列」だと予後の推測が困難であるため、咬合支持域と咬合支持数、インプラントの本数と配置、インプラントと天然歯の被圧変位量の差などが重要であるとした。

 シンポジウム「多数歯欠損症例へのインプラント―多数歯欠損におけるインプラント治療の長期経過症例―」では、古野義之氏(山口県開業)、下田 徹氏(兵庫県開業)、小谷武司氏(福岡県開業)、鎌倉 聡氏(愛媛県開業)、相場隆広氏(秋田県開業)の5名が登壇。インプラント治療後14年経過した症例や、ザイゴマインプラントを埋入した症例などが供覧された。最後には、インプラントのメインテナンス方法などのディスカッションが繰り広げられ、盛会裏に幕を閉じた。

 なお、次回の30周年記念総会・年次学術大会は、きたる2025年11月15日(土)、16日(日)の両日、万国津梁館(沖縄県)において開催予定である。

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