社会|2025年4月16日掲載
内田直樹氏が「早合点認知症」をテーマに講演
S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

さる4月15日(火)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐会長)によるWebセミナーが開催され、歯科医療関係者を中心に40名以上が参加した。
今回は外部講師として招聘された内田直樹氏(医師、たろうクリニック院長)による講演「早合点認知症」が行われた。
内田氏は講演のなかで、「認知症は病名ではなく病態」であると述べ、年齢を重ねればだれでも認知症の状態(脳の機能が低下することで認識機能障害となりADLが低下)となるため、本講演が認知症に関する備えや新しい考え方について理解を深めていただく機会となることに期待を寄せるとともに、自著『早合点認知症』の内容にもふれながらていねいに解説した。特に、認知症を「予防」から「備える(リスク低減)」という考え方について、食事や運動、口腔の健康など、規則正しい生活や健康な生活が認知症の備えに有効であるとした。
また、認知症による見立てについてもふれ、第一段階である生活障害の評価として、IADL(Instrumental Activities of Daily Living)とBADL(Basic Activity of Daily Living)の障害や、代表的な認知機能障害などについて詳説し、認知症ケアへの大切さもアピールした。
その他、歯科医院が認知症早期発見のゲートキーパーとして重要な役割を果たすことから、定期的なメインテナンスの声がけや、口腔内の状態から気づく日常生活の変化など、患者さんのみならず家族との情報を共有する(生活をみる)必要性についても言及し、参加した歯科医療従事者らへメッセージを送った。
歯科医療専門職が認知症を知ることで、適切なケアや歯科治療の提供、さらに多職種との連携につながり、認知症に対応できる人材が増えていくことに期待したい。