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社会|2023年3月5日掲載

クインテッセンス出版(株)

菅井敏郎氏による第35回Webセミナーが開催

サイナスフロアエレベーションを行うに際し、診断や治療計画、適応症例が解説された。
サイナスフロアエレベーションを行うに際し、診断や治療計画、適応症例が解説された。
 2月1日(水)、菅井敏郎氏(東京都開業)によるWEBINAR #35「これだけは知っておこう! サイナスフロアエレベーションを安全に行うための難易度分類と手術手技」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。

 最初に菅井氏は、多くの論文により予知性があり効果的な上顎臼歯部の骨造成法とされているサイナスフロアエレベーションであるが、近年多くのトラブルが報告されていることを学会の調査データをもとに示し、術前の診断の重要性を訴えた。診断のポイントとして、CT画像を用いて、自然孔から篩骨漏斗を経て中鼻道へとつながる上顎洞換気排泄路の開通を確認することを挙げた。そして、サイナスフロアエレベーションの治療計画を立てる際のクレスタルアプローチとラテラルウィンドウテクニックの選択基準をディシジョンツリーとともに説明した。

 次に、ラテラルウィンドウテクニックを行うにあたって、術者自身のレベルに応じた症例選択をするための診断基準となる「ST分類」について解説した。また、ST分類に基づいて上顎洞形態を分類し、形態ごとの手術手技を詳細に述べた。さらに、出血や上顎洞炎、インプラント迷入などのトラブルが生じた際の対応法についても解説した。

 最後のまとめでは「サイナスフロアエレベーションは歯科インプラント治療のための一手段であるものの、上顎洞に触れるからには上顎洞底のみにとらわれず、上顎洞の解剖や生理を理解し副鼻腔全体を把握しなければならない」と締めくくった。

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