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社会|2020年11月30日掲載

令和2年度社会保険指導者研修会

東北大教授・小坂 健氏が新型コロナウイルスの最新知見を披露

小坂 健氏による講演はYouTubeによるライブ配信で行われた。
小坂 健氏による講演はYouTubeによるライブ配信で行われた。
 10月8日(木)、歯科医師会館において、令和2年度社会保険指導者研修会(厚生労働省、日本歯科医師会共催)が「新型コロナウイルス感染症を知る」のテーマで開催された。本研修会は、新型コロナウイルス感染症への対応として、YouTubeによるライブ配信となった。

 開会後、濵谷浩樹氏(厚生労働省保険局長)と堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)の挨拶に続き、小椋正之氏(厚生労働省保険局歯科医療管理官)と林 正純氏(日本歯科医師会常務理事)による「新型コロナウイルス感染症に係る特例対応について」と題するテーマでそれぞれ講演が行われた。小椋氏は新型コロナウイルス感染症の対応として、診療報酬上の臨時的な取り扱いなどを示した。林氏は、歯科におけるオンライン診療の流れについて、資料を供覧しながらオンライン診療の具体的な請求(電話等 初・再診料)などについて解説した。

 その後、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部クラスター班で活躍する小坂 健氏(東北大学大学院歯学研究科教授)による「新型コロナウイルスの実像」と題するテーマの講演が行われた。小坂氏は、新型コロナウイルスがどのような機序で発症するのか、また新型コロナウイルスの構造や感染のメカニズム、発症後の主な特徴などについて最新資料をもとにわかりやすく説明。その中で高齢者の嚥下障害・肺炎の予防および治療方法についてふれ、口腔機能管理を徹底することで肺炎の予防が可能であると述べたうえで、歯科医療従事者の果たす役割の大きさに期待を寄せた。

 また、マスクの有効性や効果についても言及し、多数の文献を供覧しながらN95マスクやサージカルマスクの効果など、正しくマスクを使用することで感染防止や重症化予防に寄与することも示した。さらに、PCR検査や治療薬・ワクチンの効果、歯科医院での感染確率のシミュレーションなど、示唆に富んだ内容を披露した。

 最後に、歯科医院での感染リスクは高くないものの、油断しないように注意喚起していた。

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