社会|2020年11月28日掲載
日本臨床歯科学会東京支部
東京SJCD web seminar、若手会員の要望で実現
冒頭、大河雅之氏(東京都開業)は、新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響を受け、本年開催予定であったほぼすべての勉強会や講演会が中止になるなか、多くの若手歯科医師の要望によって東京SJCDウェビナー委員会が発足され、鈴木真名氏(東京都開業)が音頭をとることによって本セミナーが実現した経緯を報告した。
今回は、鈴木氏と山口文誉氏(神奈川県開業)が登壇。「インプラント周囲炎とどう向き合うべきか?」をテーマに、両氏が交互に症例および文献を解説するといった形で進行した。
まず、山口氏が2017年に米国歯周病学会(AAP)と欧州歯周病学会(EFP)共催のワークショップにて発表された歯周病の新分類において、初めてインプラント周囲炎の明確な定義づけがなされたと解説。
その後、鈴木氏がインプラント周囲炎によって骨吸収が生じた部位に対してエムドゲイン®を用いて再生療法を行った症例を供覧。良好な結果を得るためにいくつか条件はあるものの、「メインテナンスしやすい環境を構築することが重要である」と解説した。また、安定した角化歯肉を獲得するために、上皮付きの移植片をエンベロープ内に挿入する2つのテクニックを紹介。これには多くの質問が寄せられるなか、鈴木氏は天然歯に対する根面被覆術にも可能であるという見解を示し、参加者の注目を集めていた。