同窓会|2020年11月25日掲載
大阪大学歯学部同窓会
学術講演会に宮本泰和氏と尾野 誠氏が登壇
まず宮本氏が登壇。垂直性骨欠損、根分岐部病変、歯肉退縮の歯周再生療法に、エムドゲイン®・骨移植・GTR膜のどの併用が必要かを示したチャートを解説。歯周再生療法の成功率を高める症例の選別に必要な患者関連因子・患歯関連因子などと、その評価の方法を解説した。また、宮本氏は18歳女性の深い骨欠損の症例を例に挙げ、再生療法・骨移植をしなくても歯周基本治療で歯周ポケットはなくなるかもしれないが、歯肉退縮は避けられず20年も経てば根面う触などの問題が起きてしまうので、再生療法でこそ歯を長期に保存できると述べた。
つぎに尾野氏は、リグロス®とエムドゲイン®を使い分けた症例を紹介。リグロス®は今後も検証が必要だが、創面の裂開を防ぎ、歯間乳頭の保存に有利な材料の可能性があると述べた。続いて根面被覆術について解説し、Cairoの分類で根面被覆の予後を予測できるようになった現在の到達点を示した。つぎにgingival phenotypeに基づいた根面被覆術式の選択、口蓋からの上皮下結合組織移植片の採取方法を詳説。CTGの適用を考慮する臨床的指標を示してまとめとした。