トピックス 2014年12月13日掲載 「包括的歯科治療の考え方とその実践」をテーマに <font color='green'><B>第21回JIADS総会・学術大会開催</B></font> 後で読む さる12月13日(土)、14日(日)の両日、千里ライフサイエンスセンタービル(大阪府)にて、第21回JIADS総会・学術大会(浦野 智理事長)が「包括的歯科治療の考え方とその実践」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士ら400名以上が参集し盛会となった。 まず、初日の午前には会員発表が行われ、 新進気鋭の若手歯科医師らによる熱のこもった講演が続いた。演題、演者を以下に示す。 「歯周環境整備の重要性~JIADSで学んだLearning stage~」(寺田真也氏、大阪府) 「本物の治療を目指して」(宮田 敦氏、東京都開業) 「JIADSで学び、患者に学ぶ」(石川 聡氏、千葉県開業) 「歯内-歯周病罹患歯の保存の可能性を探る」(重岡修司氏、京都府) 「ジアズコンセプトを目指して」(瀧本将嗣氏、東京都開業) 「JIADSで学び、実践し、歩んだラーニングステージ」(奈良嘉峰氏、神奈川県) 「顎顔面の調和を考慮した補綴治療」(須田剛義氏、大阪府開業) 初日の午後と2日目の午前には、特別講演として上田秀朗氏、榊 恭範氏(いずれも福岡県開業)がそれぞれ講演した。上田氏は「包括歯科臨床の実際~審美的で機能的な咬合再構成を求めて~」と題して登壇。症例のタイプを、歯列不正、歯周病、多数歯欠損の3つに分けて、それぞれの咬合再構成時の留意点を多くの長期症例とともに解説。咬合再構成では顎口腔系になるべく負担をかけないことが大切なことから、パラファンクションにはとくに注意すべきと強調した。 榊氏は「抜歯か保存かの判断に苦慮する歯への対応とインプラント」と題して登壇。近年、インプラント治療の予知性は高くなっているが、患者との長期にわたる信頼関係を構築するには、予後不良と思われる歯でもいったんは保存する努力が大切であるとしたうえで、氏が過去に商業誌で掲載した症例のその後を提示しながら、包括的な治療を行う際の勘所を解説した。 2日目の午後にはJIADS講師陣によるClinical Discussion「どうするこの症例!」が3つのテーマに分けて行われた。「審美修復」について瀧野裕行氏(京都府開業)、中家麻里氏(大阪府開業)、「再生療法」について松井徳雄氏(東京都開業)、大川敏生氏(兵庫県開業)、「治療計画」について佐々木 猛氏(大阪府開業)、小野晴彦氏(大分県開業)がそれぞれ登壇。講師陣が提示した症例に対して、どんな術式や材料を用いるか、どのような治療手順で行うかなど、会場の参加者を交えた活発な議論が行われた。包括的歯科治療の実践には、多くの治療オプションをもつこともさることながら、基本的な手技を1つひとつていねいに行うことが大切であると再確認された2日間であった。