2014年12月14日掲載
講師に慶應大の権丈教授を招聘
みんなの歯科ネットワーク、公開勉強会を開催
さる12月14日(日)、佃区民館(東京都)において、特定非営利活動法人みんなの歯科ネットワーク公開勉強会「権丈教授に聞く 増える社会保障費をどう凌ぐのか?~混合診療?自己負担増?~」(桝本 純理事長)が開催された。権丈善一氏(慶應義塾大商学部教授)が講師として招聘され、「社会保障制度の中の歯科医療」と題するテーマで講演が行われた。
権丈氏は、医科とくらべて自由診療収益の割合が多い歯科の保険制度の特徴について述べる一方で、8020運動の成果や口腔機能管理の重要性などを挙げながら、医科と同じ枠組みで運営されている保険制度を従来の疾病対応型から予防中心型に修正する必要性があると言及。そのためには、歯科医療の専門家である歯科医師らが正しい情報を発信していかなければならないと指摘した。
また、わが国の厳しい財政状況のなかで財政再建のための消費税増税の必要性を強調。そして社会保障制度をめぐる動きについて、数多くの統計データや自身が委員を務めた社会保障制度改革国民会議の報告書を挙げながら、今後の医療・介護のサービス提供体制などについて詳しく解説した。医療経済や社会保障政策について造詣が深い権丈氏の鋭い視点や考え方に、参加者は熱心に耳を傾けていた。