2016年12月11日掲載

イタリアのMarco Toia氏、マルメ大学の神保 良氏らを招聘

I.O.R.第6回特別講演会開催

I.O.R.第6回特別講演会開催
 さる12月11日(日)、田町グランパークプラザ(東京都)において、I.O.R.(Institute for Oral Reconstruction)第6回特別講演会(竹下賢仁主宰)が「インプラント臨床の"Why?"を考えよう」をテーマに、約100名を集めて開催された。

 はじめに、本会主宰の竹下賢仁氏(東京都開業)がオープニングセッションを行い、これからのインプラント治療の変革や新たなコンセプトについて語った。

 次に、澤瀬 隆氏(長崎大大学院)は「インプラントデザインファクターの臨床への示唆」と題し、プロファイルやアバットメントの連結機構も含むインプラントデザインに言及した。さらには、荷重分散にも触れて「インプラントは患者さんが健全に噛むために埋入するのだから、荷重とインプラントについてわれわれはもっと考えなければならないのに、骨ができた、吸収した、とX線写真の不透過像ばかりみて診断している」と警鐘を鳴らした。

 午後のプログラムは、Marco Toia氏(イタリア開業)の講演から始まった。Toia氏はまだ39歳と新進気鋭の歯科医師で、埋入トルクの研究などでも知られ、新しいインプラントデザインの開発にも携わっている。今回はASTRA TECH Osseo Speed Evolutionシステム(Dentsply社から発売予定)の有用性を自身の症例を供覧しながら解説した。

 続いて、Toia氏の通訳も務めた神保 良氏(スウェーデン・マルメ大)が「インプラント周囲骨吸収の新たな見解」というタイトルで講演。『クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー』2016年4号に掲載され好評を博した「Esteponaコンセンサス解体新書」内のTomas Albrektsson氏(スウェーデン・イェテボリ大)へのインタビュー内容にも触れながら、インプラント周囲骨吸収の原因を単純に求めず、臨床経験と文献から得た自分の知識で考えることの重要性を説いた。

 最後は、墨 尚氏(愛知県開業)がクロージングセッションに登壇し、来年以降も研究と臨床を統合し日々研鑽を積むI.O.R.であり続けることを誓って特別講演会を締めくくった。

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