2019年12月10日掲載
講師に糖尿病内科医の西田 亙氏を招聘
国民皆歯科健診を実現する会、第1回勉強会を開催
会場では、講師を務めた西田 亙氏(医師、にしだわたる糖尿病内科院長)による「糖尿病専門医から見た歯科医療の意義~なぜ生涯を通じた歯科健診が必要なのか~」をテーマとする、力のこもった講演が展開された。西田氏は、残存歯数と入院医療費・日数の関係性や、歯周病と全身疾患の関連など、国内外の文献を供覧しながら歯科医療が全身の健康に貢献することを強調した。
特に、妊婦の歯周病菌によって早産に至ったケースでは、早産で生まれた子どもを支援するための膨大な社会的資源(リソース)が必要になるため、生涯にわたって歯周病をコントロールしていくための定期的なメインテナンスが重要と訴えた。
また、自身の専門である糖尿病と歯周病の関係につながりについてふれながら、糖尿病の重症化予防とその合併症である糖尿病性腎症による透析から守るために、定期的な歯周病管理の必要性について解説し、参加した国会議員の注目を集めた。
最後に、夫婦の二人に一人は認知症を発症する時代が到来することに言及。歯周病の原因菌である P.g 菌がアルツハイマー型認知症に関連している可能性を示す研究論文を示し、アルツハイマー型認知症の予防に口腔ケアが重要であることをアピールした。