2019年12月22日掲載

行動変容をうながす手段としてのデジタルヘルスの活用が語られる

第3回デジタルヘルス学会学術大会開催

第3回デジタルヘルス学会学術大会開催
 さる12月22日(日)、デジタルハリウッド大学駿河台キャンパス(東京都)において、第3回デジタルヘルス学会学術大会(デジタルハリウッド大学院デジタルヘルス研究室主催、石井洋介大会長)が「魔法から科学へ、科学から魔法へ」として、行動変容をメインテーマに開催された。

 本大会は、「既存の学会からはみ出るようなものの発表の場」として2017年より開催されており、第3回となる今大会は全国から約350名の医療関係者、エンジニア等が集い、活況を呈した。

 12の分科会のうち、歯科をテーマにした分科会(久保田達也・井上高暢分科会長)では、「歯科3.0」をテーマに3名のスピーカーが講演。まず竹山 旭氏(株式会社NOVENINE代表取締役、大阪府開業)が「歯科医療を通じて、日本の医療課題を解決する」として、重症化するまで歯科医院に来院しない層に対するアプローチとして、口臭検知機能を搭載した開発中のIoT歯ブラシを紹介。次に、木村文彦氏(神奈川県開業)が「デンタメと行動変容」と題し、歯科3.0は歯科のエンタメ化ではないかとして「デンタメ」(デンタル×エンターテインメントの造語)を提唱。OHIでプラークコントロールを達成するだけではなく、例えば、目標を達成した患者と楽しい写真を撮影してSNSにアップし、「いいね」をもらうといったような、共感やシェアリングにつなげるアプローチを示した。最後に、玉木 仁氏(東京都開業)が「オーダーメイド完全被覆型超音波歯ブラシの開発とその進行状況」として、肉体的・精神的にブラッシングが行えない人への対応策として、以前より氏が開発中の同超音波歯ブラシを紹介。現在プロトタイプの作製依頼段階まで進捗していることを報告した。

 いずれの講演でも患者の行動変容にデジタルヘルスを活用するという可能性が示され、木村氏のオリジナルラップも披露されるなど、会場は大いに盛り上がった。その他、展示会場では、先日議論をよんだ「人生会議」のポスターコンテストが行われ、1位(同率4作品)に歯科医師である前田祐二郎氏、井上高暢氏の看取り期の食の楽しみをテーマにした作品が選出された(応募作品および受賞作品はhttps://digitalhealthlab.tokyo/poster2019/で閲覧可能)。

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