2022年12月10日掲載
「チームアプローチ成功の鍵を探る」をテーマに
第29回JIADS総会・学術大会(松井徳雄JIADS新理事長就任記念大会)が開催
10日午前は、歯科医師と歯科衛生士の会員発表が行われた。講演テーマと演者は以下のとおり。
・「日常臨床におけるAPFの意義~歯肉縁下カリエスへの挑戦~」(木村 学氏、埼玉県開業)
・「永続性の高い歯周組織の獲得をめざして根面被覆術を行った症例」(田口 淳氏、岡山県開業)
・「マイクロスコープを用いたアシスタントワークと歯科衛生士業務について」(浅子玲菜氏、宇野菜都美氏、ともに歯科衛生士・デンタルクリニックK)
・「健康と幸せに貢献できる歯科衛生士を目指して」(熊谷優衣氏、歯科衛生士・酒井歯科クリニック)
・「JIADSコンセプトを実践した包括的歯科治療~ラーニングステージとともに~」(山本 誠氏、大阪府開業)
・「矯正治療前に結合組織移植術をおこないphenotypeの改善をした症例」(高野琢也氏、茨城県開業)
10日午後は、海外学会講演(1)として、海外の学会にて発表した会員4名の発表が行われた。演者と講演テーマは以下のとおり。
・「Effective Techniques for Space Maintenance in Periodontal Regenerative Therapy」(奈良嘉峰氏、神奈川県開業)
・「歯間乳頭の再建を目指した根面被覆術について」(小野晴彦氏、大分県開業)
・「歯間乳頭再建への挑戦」(岩田光弘氏、岡山県開業)
・「The predictable vertical bone augumentation By Upward motion scissors techniques(UMST)with Titanium mesh」(猪子光晴氏、北海道開業)
演者らは、2022年のAAP(米国歯周病学会)年次大会などで講演した内容について、歯周組織再生療法や根面被覆術における切開、縫合といった手技や生体材料の使用のポイントなどを、自身の症例や論文に基づき解説した。なお、今年度のアワードは山本氏が受賞した。
11日午前は、特別講演「チームアプローチ成功の鍵を探る~Dr、DHの立場から~」が行われ、歯科医師と歯科衛生士による、以下の2講演が行われた。
・「清く、正しく、美しく、そして賢いチーム医療を目指して!」(林 美穂氏、福岡県開業/藤本和泉氏、歯科衛生士・歯科・林美穂医院)
・「チーム医療で何を診るのか」(長谷川嘉昭氏、東京都開業/川崎律子氏、歯科衛生士・長谷川歯科医院)
演者らは、本大会テーマのチームアプローチについて、各医院で目指している方向性や実際に行っている具体的なコミュニケーション方法などを、症例も供覧しながら、解説した。
11日午後は、松井徳雄氏(東京都開業)によるJIADS新理事長就任講演「JIADSだから伝えられること」が行われた。松井氏は、JIADSの誕生からの歴史やその功績を紹介。治療に飛び道具はないとし、JIADSのラーニングステージの基礎・基本を大切にしながら、Conceptualization、Predictability、Longevityという3つのコンセプトのもと、新理事長として「これまでのすばらしい活動を継承・発展させていきたい」と述べた。
その後、「チームアプローチの実際」のテーマで、以下の2講演が行われた。
・「包括歯科治療の実際-矯正医、技工士との情報共有の重要性-」(吉野宏幸氏、埼玉県開業)
・「歯科臨床にデジタル技術を取り入れよう!」(須田剛義氏、大阪府開業)
最後に、海外学会講演(2)として、以下の2講演が行われた。
・「治療結果の長期的安定を目指して~清掃性に裏付けられた審美と生体に調和した機能の獲得~」(佐々木 猛氏、大阪府開業)
・「Optimal Regenerative Protocol for Esthetic Rehabilitation Utilizing Growth Factors」(瀧野氏、京都府開業)
両演者は、2022年のPRD国際シンポジウムやAAP年次大会で講演した内容をもとに講演。佐々木氏は患者の顎運動を反映した咬合面形態について、瀧野氏はエムドゲインやリグロスなどの成長因子の効果や適用について、それぞれ症例を供覧し、現地での講演の際のエピソードなどを交えながら解説した。
各講演後、質疑応答やディスカッションの時間が設けられ、盛り上がりを見せた。2日間の日程は、盛会のうちに終了した。