社会|2024年7月10日掲載

萬田久美子氏が招聘され、歯周ポケットの深化の原因を考察する

日本臨床歯科学会東京支部、ハイジニストミーティングを開催

日本臨床歯科学会東京支部、ハイジニストミーティングを開催

 さる7月7日(日)、日本臨床歯科学会東京支部ハイジニストミーティング(日本臨床歯科学会東京支部主催、大河雅之会長)が御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター Terrace Room(東京都)とWeb配信のハイブリッド形式にて開催された。

 今回は萬田久美子氏(フリーランス歯科衛生士)が招聘され、「そのポケットは本当にSRPが必要ですか? ~深い歯周ポケットの様々な原因を考察する~」の題で教育講演を行った。氏は、自身が執筆した『DHとDRのための歯周ポケット鑑別ガイド その病変は本当にペリオ?』(クインテッセンス出版刊)の内容を軸に、歯周炎以外の疾患と鑑別診断を行うために必要な情報についてケースとエビデンスを用いて詳説。講演は、第1部エンドペリオ、第2部セメント質剝離、歯根破折、咬合性外傷、SRP、第3部ディスカッションの3部構成で進められた。

 氏は、「歯科衛生士はメインテナンスで初期の兆候を拾うことが多く、病変に気づかなければいけないが、根管治療について学ぶ機会が少ないために気づくのが難しく、歯周病だと思って処置をしてしまうことが多い」と述べたうえで、第1部のエンドペリオではSimonの分類について解説。そのなかでも、プライマリーエンドは根管治療を行えば歯周ポケットは治るため、歯科衛生士は歯肉縁下を触らなくても良いが、根管治療期間中にプラークコントロールが悪く歯周ポケットの中で細菌感染してしまうと、そこから歯肉炎や歯周炎が発症してしまうことを指摘。根管治療中は歯肉縁上のプラークコントロールを徹底させておくことが重要であると強調した。

 講演中にはクイズやテストが組み込まれたほか、第3部では誰もが意見を出しやすいKJ法でSRPをテーマにグループディスカッションが行われるなど、 終始盛り上がりを見せた。

 なお、次回はきたる2025年8月31日(日)の開催を予定している。

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