社会|2024年11月8日掲載
大河雅之氏が「ラミネートベニアのクラシフィケーションとデジタル時代のベニア支台歯形成デザインの考え方(前歯)」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第61回WEBINARを開催
さる11月7日(木)、大河雅之氏(東京都開業)による第61回WEBINAR「ラミネートベニアのクラシフィケーションとデジタル時代のベニア支台歯形成デザインの考え方(前歯)」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、本年9月に大河氏が上梓した、自身の20年以上にわたるラミネートベニア臨床について、多数の文献検索および長期経過症例などをまとめ上げた書籍「イノベーション・オブ・ラミネートベニア 20年の臨床と研究が示す価値」(以下、本書)の内容を基に、新たな知見を含めて行われたもの。
およそ90分にわたった講演は、(1)「Digital Impressionがベニアのプレパレーションデザインにどのような変化をもたらしたのか?」、および(2)「CAD/CAMによるベニア修復治療の実際」の2部構成にて行われた。
これらのうち、前半の(1)では、現代の修復歯科治療においてはMI(Minimal Intervention)、マイクロスコープの活用、そしてデジタルデンティストリーの応用が必須となることや、デジタルデンティストリーが修復歯科治療にもたらすベネフィット(可視化、短縮化、均質化)について詳説。これをふまえ、本書の「Chapter4ラミネートベニア デジタル化への動き」で示された、ラミネートベニアの支台歯を口腔内スキャナーで印象採得する際における適合性向上法(ISF〔Inner Surface Fitting correction〕)の手順およびその結果や、同じく「Chapter5前歯部ラミネートベニア形成デザインの分類とクラシフィケーションにあわせたデジタルラミネートベニア症例紹介」で示された前歯部の7種類の支台歯形態クラシフィケーションおよびその論拠となる多数の海外論文紹介を行った。なかでも演者は、本書でも述べているとおり歯のたわみのコントロールがとくに重要であるとし、そこに焦点を当てた解説を多数行った。
引き続き(2)では、本書を上梓後に新たに取り組んだ上顎6前歯ラミネートベニア症例について詳説。本書で述べたコンセプトを基にしつつ、エッジレスプレパレーションの特性を活かした歯間乳頭のコントロールや、1歯のなかの歯頚部と切縁部でそれぞれ隣接面へのアプローチを移行的に変化させる支台歯形成法などについて多くの写真と動画を用いて示し、今後への展望を語った。
講演後の質疑応答では、ブラキサーへの対応法や、プロビジョナルレストレーションを仮着する際に使用するセメントの種類についてなど、さまざまな質問が寄せられ、大河氏はその1つひとつにていねいに回答した。
本講演の振り返り配信は2025年2月7日まで購入可能である。次回のWEBINAR #62は、きたる11月13日(水)、丸尾勝一郎氏を招聘し、「Dr.マルオの大学では教えてくれない授業 〜情報・カネ編〜」と題して開催予定。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはこちらから。