学会|2024年11月5日掲載
「エビデンスに基づく睡眠歯科医療をめざして」をメインテーマに
第23回日本睡眠歯科学会総会・学術集会開催
さる11月3日(日)、4日(月)の両日、徳島大学大塚講堂(徳島県)において、第23回日本睡眠歯科学会総会・学術集会(岩﨑智憲大会長、角谷 寛理事長)が「エビデンスに基づく睡眠歯科医療をめざして」をメインテーマに開催され、約400名の参加者を得て盛会となった。
2日間にわたり、Audrey Yoon氏(米国・スタンフォード大睡眠医学センター)による国際講演「Growth Modification for Pediatric Sleep-Disordered Breathing」、小野卓史氏(東京科学大教授)による記念講演「あるクリニシャン・サイエンティストの睡眠歯科医学を巡る四半世紀」をはじめ、特別講演、日韓国際交流講演、シンポジウム、企画レクチャー、未来企画、企画ディスカッション、有料講座など、数多くのプログラムが組まれた。
なかでも、1日目のシンポジウム1「小児OSAへの理解を深める―医科歯科連携で育む子どもの睡眠と呼吸―」では、荻澤翔平氏(神歯大)、加藤久美氏(医師・太田睡眠科学センター)、嶋村洋介氏(医師・太田総合病院)、清水清恵氏(東京都勤務)が登壇し、それぞれ「歯科医師が小児OSAの早期発見をするための新知見」「小児OSAの病態と発達面の問題」「小児OSAの耳鼻科的治療up to date(保存療法、手術療法)」「小児OSAに歯科が補完療法としてできること」との演題で講演を行った。小児の成長発育に影響を与える小児OSAをいかに早期に発見し、適切に治療していくかについて、新たな知見や臨床上の要点が歯科医師、小児科医、耳鼻咽喉科医の立場から述べられた。また、いずれの演者においても、医科と歯科が連携して治療にあたることの重要性が語られた。
また、2日目の特別講演では千葉伸太郎氏(医師・太田睡眠科学センター)が「いま何故Pediatric Sleep Health について議論が必要か?」と題して登壇し、子どもの心身の成長発育における睡眠の重要性や睡眠関連呼吸障害の影響について国民・医療者ともに理解が乏しいわが国の現状を課題として述べ、国民への啓発や睡眠医療に関するエビデンスの構築、専門医療機関の充実、健診に睡眠に関する項目を組み込むことなどが必要であるとした。
なお、本大会は現地での開催に加えて、一部の演題を除きオンデマンド配信も行われる。オンデマンド配信は、きたる2024年11月26日(火)から12月27日(金)の期間にて予定されている。