社会|2024年11月12日掲載

「ひろがる笑顔 訪問歯科の未来」をテーマに

日本訪問歯科協会、第24回日本訪問歯科医学会を開催

日本訪問歯科協会、第24回日本訪問歯科医学会を開催

 さる11月10日(日)、富士ソフトアキバプラザ(東京都)において、日本訪問歯科協会主催(守口憲三理事長)による第24回日本訪問歯科医学会(野坂洋一郎学会長)が、「ひろがる笑顔 訪問歯科の未来」をメインテーマに開催された。特別講演や2題の教育講演のほか、多数の専門セミナー、実習、ポスター発表、ランチョンセミナーなどが行われ、約450名の参加者を得て盛会となった。

 なかでも、全国24拠点で24時間対応の在宅診療を展開する佐々木 淳氏(医師、医療法人社団悠翔会理事長・診療部長)を招聘して行われた教育講演2「在宅医療における『三位一体』の取り組みの在り方」では、在宅高齢者に求められる最善の医療の在り方が示された。若年期と違って高齢期では誤嚥性肺炎および骨折、さらに入院そのものが死亡リスクになり、医療の役割は加齢とともに変化する。誤嚥性肺炎も骨折もその背景にあるのが「栄養状態の悪化」と「筋肉量の低下」であることから、それらを最小限にするために、病院だけでなく地域においても「リハ」「口腔」「栄養」の三位一体の取り組みが重要であるとした。三位一体の取り組みではさまざまな職種の連携とともに、「入院リスクの最小化と予防的医学管理」「入院期間の短縮および入院中のストレスの減少」「退院後の良好な形での医療・ケアの提供」が重要であるとした。

 また別会場で行われた専門セミナー「症例研究会 これからの摂食嚥下リハビリテーション」では、戸原 玄氏(東京科学大教授)が登壇。「食事に時間がかかりよくむせる」を主訴とする患者の食事中の動画を供覧し、問題点や対応、注視すべき点などを参加者とともに考察した。食べ方や一口量、食具などの表面上の問題だけでなく、麻痺などの一見わかりにくい背景を読みとることも重要で、よく患者を観察すべきと訴えた。さらに、離床時間と口腔機能の関連や高齢者の体幹、ソーシャルキャピタルなどのトピックにもふれた。

 なお、本会は現地での開催に加えて、オンデマンド配信がきたる2024年11月20日(水)から12月11日(水)の期間にて予定されている。

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