社会|2024年11月25日掲載
記念大会を沖縄県久米島にて
第10回SAFE学術大会開催
さる11月23日(土)、24日(日)の両日、リゾートホテル久米アイランド(沖縄県)にて第10回SAFE学術大会(中島 康大会長)が開催された。今回の記念大会は前会長である野阪泰弘氏(兵庫県開業)の「集中してとことんトラブルケースについて語り合う」という強い意志から離島の久米島にて開催されることになった。
2日間をとおし、SAFE Troubleshooting Guide の6つの合併症(機械・構造的、患者由来性、外科的、補綴・技工的、審美的、生物学的合併)に沿った6つのセッションと2つの特別講演で構成された。下記にその演題と演者を示す。
セッション1
「現代のインプラントトラブルの影と闇―治療トラブルと患者対応について―」宗像源博氏(昭和大学歯学部インプラント歯科学講座教授)
「インプラント上部装着後,2 年後の感染」奥 佳葉氏(大阪府勤務)
セッション2
「審美エリアにおける抜歯後即時インプラント埋入のトラブル」奥田浩規氏(兵庫県開業)
「サイナスフロアエレベーション中に上顎洞粘膜を穿孔した症例」石田嘉彦氏(大阪府開業)
セッション3
「3 本連結の中間インプラントにおけるインプラント周囲疾患リスク」松田博文氏(奈良県開業)
「ショートインプラントの有用性〜ロストしたケースをふまえて〜」泉谷剛行氏(大阪府開業)
セッション4
「審美領域の抜歯即時埋入の失敗症例報告 リカバリーのリカバリーは今ひとつ」米澤大地氏(兵庫県開業)
「上顎前歯審美トラブルケース」津田 祐氏(大阪府開業)
セッション5
「インプラント周囲硬軟組織マネージメント~成功と失敗の分岐点~前編」石川知弘氏(静岡県開業)
セッション6
「インプラントトラブルへの費用的な保証サポートの具体例について」中島氏(大阪府開業)
「サイナスリフトのトラブル報告~術後の上顎洞内圧により補填材が流れ出た症例~」入江裕介氏(滋賀県開業)
特別講演
「抜歯即時埋入とその臨床的意義~現在・過去・未来~」金城清一郎氏(沖縄県開業)
「インプラント周囲硬軟組織マネージメント~成功と失敗の分岐点~前編・後編」石川氏
なお、特別講演では金城氏が、抜歯後即時インプラント埋入のこれまでの変遷とそれぞれの理論的な背景の考察とともに将来への展望を述べた。そして石川氏は、硬・軟組織の吸収・退縮およびインプラント周囲炎に対するマネジメントとトラブルシューティングについて詳解した。
いずれの講演も過去のトラブルから学ぶ貴重な機会であり、若手のトラブルに対してはベテランから懇切ていねいな指導が入り、休憩時間や懇親会の場でも至る所で熱心なディスカッションが繰り広げられている様子が見られた。
また、1日目最後のガーデンパーティーにおいては、米澤会長より2008年からの16年間のSAFE(Sharing All Failed Experiences)の軌跡がプレゼンテーションにて熱く語られた。