学会|2024年12月3日掲載

「健康生活の向上に寄与する歯科医療」をテーマに

関東甲信越歯科医療管理学会第30回記念学術大会が開催

関東甲信越歯科医療管理学会第30回記念学術大会が開催

 さる11月17日(日)、茨城県歯科医師会館(茨城県)とオンデマンド配信を併用したハイブリッド形式にて、関東甲信越歯科医療管理学会第30回記念学術大会(大金 誠大会長)が「健康生活の向上に寄与する歯科医療」をテーマに開催された。

 1日をとおし多数のプログラムが組まれたが、なかでも特別講演では、上條英之氏(東京歯科大学)の座長の下、吉村典子氏(東京大学医学部附属病院)が「骨粗鬆症の疫学アップデート2024:医科歯科協働による予防と治療戦略」と題して講演。要介護になった理由に関する厚生労働省の調査において、認知症、脳卒中に次いで、「骨折・転倒」が3位に浮上したことを鑑み、骨粗鬆症の予防の重要性を述べたうえで、氏らが行っているコホート調査「ROADスタディ」について紹介。また、骨粗鬆症における医科歯科協働の必要性について述べた。

 特別企画では、「茨城県の歯科保健目標『8020・6424(ハチマルニイマル・ロクヨンニイヨン)運動』について」と題して、北見英理氏(茨城県歯科医師会常務理事)が登壇。茨城県におけるさまざまな歯科保健事業、なかでも「口腔機能健康測定」や「歯科特殊健康診断認定歯科医師制度」といった独自の取り組みとその成果について紹介した。

 「医科と歯科医療からQOLと自立歩行を考える」と題したシンポジウムでは、林 昌二氏(神奈川歯科大学短期大学部)の座長の下、飯高世子氏(東京大学医学部附属病院)による「下肢における骨・関節・筋疾患の疫学:住民コホート6年の追跡」、渡邊 諒氏(朝日大学)による「義歯装着が高齢者の歩行運動に及ぼす影響」、樋口大輔氏(松本歯科大学)による「最後まで食べるを支える補綴治療」、田野ルミ氏(国立保健医療科学院)による「歯科衛生士の働き方調査から-ライフワークバランスに着目した支援の必要性-」がそれぞれ行われた。

 この第30回記念学術大会は、第25回大会から第29回大会までの総括を目的として開催されたが、人生100 年時代における歯科医療の重要性、そして患者の健康寿命を延伸するための医科歯科連携の必要性が再確認された大会となり、盛会裏に終了した。

関連する特集