社会|2025年3月13日掲載
辻本恭久氏、小林 平氏、佐久間利喜氏、菅原佳広氏、三橋 純氏が「マイクロスコープを用いた精密補綴処置」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第69回WEBINARを開催

さる3月12日(水)、辻本恭久氏小林 平氏(ともに日本大学松戸歯学部)、佐久間利喜氏(新潟県開業)、菅原佳広氏(新潟県勤務)、三橋 純氏(東京都開業)、による第69回WEBINAR「マイクロスコープを用いた精密補綴処置」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、辻本氏らが昨年10月に上梓した書籍『マイクロスコープ動画88本で学ぶ! 精密補綴処置 支台歯形成,圧排,印象採得から,プロビジョナルレストレーションの調整,患者説明まで』の内容をベースに行われた。
まず、辻本氏が日本におけるマイクロスコープの歴史について概観した後、「本書はマイクロスコープ下の補綴処置についてまとめた初めての書である」と述べ、各講演がスタートした。
小林氏はマイクロスコープ下での補綴処置のための検査・診断、咬合調整について解説。マイクロスコープを用いる利点は、(1)口腔内検査、(2)咬頭嵌合位が適切か、(3)術前の咬合状態の検査の3項目を、手指判断とともに目視しながら行うことができる点であるとした。
続いて、菅原氏がマイクロスコープ下でのミラーテクニックを用いた支台歯形成について説明した。氏は、支台歯形成を行うにあたり、隣接面と切縁に形成軸を設けることが重要であると強調。仕上げ形成の際、マイクロスコープの倍率を上げ、視野が狭くなってもきれいに形成を行うことができる」と利点を述べた。
佐久間氏は、直視主体でのポジショニングについて、自身が治療を行っている動画を供覧し、マイクロスコープの可動域や動かし方を視覚的に解説した。その後、術者によって体格や診療位置、癖も異なるため、各個人に合ったポジショニングが求められると結んだ。
最後に、三橋氏がマイクロスコープを用いた患者説明について解説した。氏は、患者説明には診療に付加価値を与え、ブランディングにつなげる役割があると説明。そのポイントは(1)動画を用いて短時間で効果的に行う、(2)どのような問題があるのかを拡大映像で明確にする、(3)問題に対してマイクロスコープを用いることでどのように解決したかを強調する、の3点であると述べた。
講演後の質疑応答では、直視での遠心隅角の形成方法や勤務医への指導方法など、さまざまな質問が寄せられた。
なお、本講演の振り返り配信は、2025年6月12日まで購入可能である。次回のWEBINAR#70は、きたる4月24日(木)、泉 英之氏(滋賀県開業)、斎田寛之氏(埼玉県開業)、月星太介氏(愛知県勤務)、平井友成氏(福岡県開業)を招聘し、「自家歯牙移植・再植」が開催予定である。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはこちらから。