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社会|2022年12月4日掲載

クインテッセンス出版(株)

松村香織氏による第31回Webセミナーが開催

高齢者が歯科に来院した際のポイントについて、わかりやすい解説がなされた。
高齢者が歯科に来院した際のポイントについて、わかりやすい解説がなされた。
 10月20日(木)、松村香織氏(福岡県勤務)によるWEBINAR#31「一般歯科診療所でも大丈夫! 病気をもった高齢者の観血的歯科治療への対応」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは『病気をもった高齢者が歯科に来院されたときに読む本 知っておきたい! 全身疾患と薬の基礎知識』(小社刊)の内容をベースに行われた。

 松村氏は冒頭、超高齢社会を迎えた日本において、歯科医療従事者の医科疾患に関する知識の必要性について言及。「多疾患・多剤併用が増えてきたことで、安全な歯科医療を提供するには患者さんの全身状態や服薬を把握したうえで治療方針を検討する必要がある」と述べ、本講演の導入とした。

 次に、松村氏は勤務する急性期病院での初診患者における対応を紹介した。まず、歯科疾患に関する主訴や歯科治療歴を確認した後、全身疾患の情報収集について解説。そしてバイタルサインのチェックをはじめとする一連の流れとともに、お薬手帳の情報を歯科診療に役立てる際の着眼点についても説明した。

 なお、骨吸収抑制薬のビスホスホネート(BP)製剤と抗RANKL抗体の作用機構や薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)ついてふれるなど、書籍では取り上げなかった内容も追加され、示唆に富んだ内容を披露した。

 講演後の質疑応答では、参加者の実体験をふまえた質問や具体的な状況を想定した質問が多数寄せられ、病気をもった高齢者への対応に対して関心の高さがうかがえるとともに、松村氏によるていねいな解説で盛会となった。