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2025年4月号掲載

歯科医師を増やすための方策

※本記事は、「新聞クイント 2025年4月号」より抜粋して掲載。

 第118回歯科医師国家試験の合格者発表があった。過去10年以上60%台だった合格率が70.3%(前年66.1%)となり、2,136名の合格者数は、この10年で最大であった。歯科医師数が減少に転じた直後なので、厚労省の方針転換を推測したくなるところだ。しかし、令和2年と3年の合格者は2,100名を超えていることと、今回の受験者数が3,039名と直近10年で最少だったことを併せて考えると、合格率の増加は、各大学が受験者数を絞ったこと歯が大きな要因だと考えられる。一方で、歯科医師数が減少し始めて、無歯科医地区が出てきているのも事実である。歯科医師数を増加させるために合格率を高くしなければ、という意見もきく。

 ところで、令和6年の第118回歯科医師国家試験の合格者発表があった。過去10年以上60%台だった合格率が70.3%(前年66.1%)となり、2,136名の合格者数は、この10年で最大であった。歯科医師数が減少に転じた直後なので、厚労省の方針転換を推測したくなるところだ。しかし、令和2年と3年の合格者は2,100名を超えていることと、今回の受験者数が3,039名と直近10年で最少だったことを併せて考えると、合格率の増加は、各大学が受験者数を絞ったこと歯科大学の入学者数は、定員2,462名に対して2,160名であった。今年の合格者数とほぼ同じである。この一年生が国家試験に全員合格したとしても、今以上に歯科医師を増やすことが不可能なのは、だれの目にも明らかだろう。18歳人口が減少していくなか、志願者自体が少ないようでは、国家試験の合格率の増加で歯科医師数を増加させるのは無理である。実は、新卒受験者の数が合格者と同数である場合、複数回受験が可能なら合格率にかかわらず、計算上はほぼ全員が結果的には合格できる。そもそも歯科医師数をコントロールするには、合格率ではなく合格者数が問題なのだ。

 今後、歯科医師を増やすには職業自体の魅力を増す方策を考え、歯科界全体で歯科医師を目指す若者を増やさなければならないのである。

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