2025年1月号掲載
大阪・関西万博は未来社会の実験場
※本記事は、「新聞クイント 2025年1月号」より抜粋して掲載。
大阪・関西万博の2016年の基本構想案は「人類の健康・長寿への挑戦」であった。この構想案を見て歯科界としても何らかの動きをしなければとその対応に入った。その後、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」となり、サブテーマとして「いのちを救う」「いのちに力を与える」、そして「いのちをつなぐ」となった。
この万博の主体であるはずのテーマは示されているが、準備期間中、会場建設費と運営費が話題となり、社会には浸透していないようにみえる。2025年日本国際博覧会の基本計画書の「はじめに」には次のような記載がある。「2025年大阪・関西万博は、この時代に、『いのち』をテーマに掲げる万博として、世界が一つの『場』に集う機会となる。本万博を契機として世界の多様な価値観が交流しあい、新たなつながりや創造を促進していく。世界的な危機を乗り越え、一人一人のいのちを守り、いのちの在り方、生き方を見つめ直すことで、未来への希望を世界に示す万博となることを目指す」となっている。
世界中で大規模災害に見舞われている。テーマはこれらの災害に対する挑戦でもある。台風や地震に対してより進展した管理方法を開発し、いのちを救うことである。開催期間中、世界中の頭脳が直接的・間接的にこの万博に集い、明確な目的意識を示すことが開催する意義となる。日本歯科医学会の歯科イノベーションロードマップをとおした「食べることは生きること」の万博活動にもご理解いただきたい。ここ万博からの対象は世界である。