2021年10月31日掲載
宮新美智世氏が「子どもの治療がうまくなりたい」をテーマに講演
東京医科歯科大学同窓会学術部、第59期研修会を開催
COVID‑19流行による緊急事態宣言解除直後の講演会ということもあり、会場では手指の消毒、マスクの着用、体温測定など厳重な感染対策が取られた。
本講演は大きく分けて、歯科治療を怖がらせないための小児歯科治療の基本、子どものう蝕、子どもの歯内療法と診断法、そして子どもの外傷歯治療と4つのトピックから成り、1日をかけてたっぷりと小児歯科治療の腕をアップするためのコツが具体的に語られた。このうち子どもの外傷歯治療については、宮新氏の著書『歯の外傷で小児が来院したら 泣いてた親子を笑顔で帰す』(小社刊)にも微に入り細に入り著されている。
宮新氏は、少子化社会とはいえ、現在の日本には1,550万人の小児が暮らしており、まだまだたくさんの子どもの歯を診る歯科医師が求められていること、子どもが日常の快適な領域(comfort zone)から歯科治療の受診へと一歩踏み出すことで、成長の一端をともにできることなど、小児歯科治療の意義についてもふれた。そのうえで歯科治療は子ども・保護者・歯科医療者の協働で行われるものであること、仲良しクラブではなくチームメイトとしてタッグを組むことで、安全・適格な治療を行うことができ、子どもの口腔の成長を見守ることができると強調した。