2021年12月4日掲載
「口腔機能発達不全症とは？ 基本的知識と診査」をテーマに
株式会社COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催
浜野氏は、小児から高齢者までの地域住民の口腔の健康をサポートするため、クリニックへの来院患者だけでなく、保育園や小学校、高齢者施設などへの働きかけにも力を入れている。口腔機能が低下した高齢者にかかわってきた経験から、小児期に正しい口腔機能や食習慣などを身につけることがその後に大きく影響しているという。小児の口腔機能発達不全症に1人でも多くの歯科医療従事者に取り組んでほしいと冒頭述べた。
講演前半では「口腔機能発達不全症」について、その定義やスクリーニング方法、診査のポイントを解説した。後半は「指しゃぶり」に特化し、口腔への弊害や止めさせ方（吸指癖中止支援）、中止支援時期などを、根拠とともに示した。「口腔機能発達不全症」や「指しゃぶり」はいずれも、患児だけでなく保護者がキーパーソンとなるが、前者は、あまり気づいていない保護者が多く、気づかせるような言葉がけが必要であり、一方、後者の指しゃぶりに関しては、止めさせようと保護者が躍起になっている場合もあるため、歯科医療従事者として科学的根拠に基づいた対応をすること、そして保護者と患児両者に対する支援が大切であると強調した。
講演後には多数の質問が参加者から寄せられ、知識をアップデートできる充実した時間となった。第2回目は、きたる2022年1月15日（土）に「舌について～舌小帯付着異常・舌低位、発音にも関係～」のテーマで開催予定。
