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社会|2024年6月13日掲載

クインテッセンス出版株式会社、第51回WEBINARを開催

伊藤雄策氏、髙井基普氏が「ザ・プロビジョナルレストレーションズII」をテーマにWeb講演

伊藤雄策氏、髙井基普氏が「ザ・プロビジョナルレストレーションズII」をテーマにWeb講演

 さる6月12日(水)、伊藤雄策氏(大阪府開業)、髙井基普氏(東京都開業)によるWEBINAR #51「ザ・プロビジョナルレストレーションズII」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、両氏の書籍『ザ・プロビジョナルレストレーションズII』の内容をベースに行われた。

 まず、伊藤氏は、プロビジョナルレストレーションのコンセプトとして、歯肉からの立ち上がりの局面:サブジンバルカントゥア、立ち上がった後の局面:スープラジンバルカントゥア、食物の流れや頬粘膜や舌による自浄作用を司る局面:軸面、歯と歯が接触する局面:咬合面という4つの局面があると述べ、それぞれの項目について解説していった。

 続いて、緊急処置からメインテナンスまでの治療の流れを解説。治療のステージによって顎位は変化し、そのなかでプロビジョナルレストレーションは重要な役割を担うと述べた。また、ファイナルプロビジョナルレストレーションと最終補綴装置は、材料こそ異なるものの、形態・機能は同様のものが与えられるとし、プロビジョナルレストレーションで煮詰められた生理的顆頭安定位と垂直的下顎位(咬合高径)・水平的下顎位を変化させることなく、最終補綴装置製作のための作業用模型に正確にトランスファーすることが可能なクロスマウントテクニックについて、症例を用いて解説した。

 さらに、咬合高径に対する臨床的判断基準と正常な咬合高径に回復したかの指標を説明したうえで、咬合高径が減少している場合の治療法としてオーバーレイプロビジョナルレストレーションを挙げ、症例を用いて解説した。また、オーバーレイプロビジョナルレストレーションは、外すことで元の状態に戻せる可逆的な治療法であることがメリットであるとした。

 最後に、インプラント治療におけるプロビジョナルレストレーションについて、PC上でインプラント埋入ポジションを正確にシミュレーションすることができれば、インプラント埋入前の段階で、事前にプロビジョナルレストレーションを製作するイミディエイトスマイルプロビジョナルレストレーションが可能であるとし、症例を用いて解説した。

 続いて髙井氏は、伊藤氏との出会いから現在までを振り返りつつ、出会ってから18年が経過しても伊藤氏に教わったプロビジョナルレストレーションのコンセプトに変化はないと述べ、動画を用いてプロビジョナルレストレーションの調整の流れを解説した。そのうえで、髙井氏自身の臨床で変化してきたものもあるとし、「それは基準(リファレンス)と規準(クライテリア)が明確になったことである」と述べ、症例を用いて解説した。さらに、その次のフェーズがデジタルであるとした。治療の流れは変わらないが、デジタルが診断から術後管理まですべてに関連しており、そのなかでプロビジョナルレストレーションにおいて有効な手法としてCADデザインのモーフィングとミラーリングについて症例を用いて解説した。

 講演後には、両氏が参加者からの質問に回答する時間が設けられ、臨床におけるプロビジョナルレストレーションの調整時間、PMMAと即時重合レジンの馴染みが悪いことに対する対応について、天然歯におけるサブジンバルカントゥアをデジタルのみで歯科技工士に伝えることは可能か、プロビジョナルレストレーションをミリングで製作する場合と3Dプリンターで製作する場合のメリットとデメリット、プロビジョナルレストレーションの状態から中心位にどのようにもっていくのかといった質問が寄せらせた。

 本講演の振り返り配信は、2024年9月12日まで新規購入が可能である。次回のWEBINAR #52は、きたる6月20日(木)、岡崎好秀氏(国立モンゴル医学科学大客員教授)を招聘し、「誰も知らない口腔機能論~口の中はふしぎがいっぱい~」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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