学会|2024年6月24日掲載

「包括的歯科治療における矯正歯科の役割」をテーマに

第32回日本成人矯正歯科学会大会開催

第32回日本成人矯正歯科学会大会開催

 さる6月23日(日)、タワーホール船堀(東京都)にて、第32回日本成人矯正歯科学会大会(坂本紗有見大会長、武内 豊名誉大会長、村井 茂理事長)が「包括的歯科治療における矯正歯科の役割」をテーマに開催された。

 本会では、一般口演、学術講演、招待講演、ビデオ講演、シンポジウム、E-ラインビューティフル大賞授賞式などさまざまなプログラムが準備された。そのうち学術講演では有本博英氏(大阪府開業)が「成人矯正における口腔環境リフォームのゴール設定について」と題して登壇し、成人症例を身体的・心理的・習慣的・精神的ストーリーに分けて分析、その治療ゴール決定の難しさについて述べた。また山﨑長郎氏(東京都開業)は「インターディシプリナリー・マネージメント」と題して登壇し、一般歯科医の立場から包括的歯科治療における矯正歯科治療の役割とその重要性について語った。また西井 康氏(東歯大教授)が「外科的矯正治療の考え方と専門教育」と題して登壇し、大学病院の矯正歯科の立場から外科的矯正治療および口腔外科との連携、現在とこれからの大学の矯正歯科教育について説明した。

 海外からの招待講演では、Seung-Hak Baek氏(韓国・ソウル大教授)が「Considerations for Orthodontic Treatment in Conjunction with Prosthodontic Tx(矯正歯科治療と補綴治療との併用についての考察)」、Heng-Ming Mark Chang氏(台湾・中華民国歯顎矯正学会)が「The Role of Orthodontist in a Multidisciplinary Team―A Leader or a Reader? (マルチディシプリナリーチームにおける矯正歯科医の法則―導く人か、読む人か)」と題してそれぞれ講演した。

 本会は、最後をシンポジウム「バイオメカニクス『歯の移動を深掘りする!』」で締めくくった。今一度矯正的に歯を移動するとはどういうことなのかを確認し、新しい研究方法にふれるという主旨の本プログラムでは、武内氏、陳 明裕氏(大阪府開業)、河村 純氏(岐阜県開業)が登壇し、歯の移動の基礎知識、抵抗中心の定義、ワイヤーおよびアライナー矯正治療におけるバイオメカニクス、有限要素法による歯の移動およびフォース・モーメントの解析について述べられた。

 本会では、オンデマンド配信を7月1~31日まで行う予定である。詳しくはこちらまで。

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