社会|2024年6月21日掲載

岡崎好秀氏が「誰も知らない口腔機能論~口の中はふしぎがいっぱい~」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第52回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第52回WEBINARを開催

 さる6月20日(木)、岡崎好秀氏(国立モンゴル医学科学大客員教授)によるWEBINAR #52「誰も知らない口腔機能論~口の中はふしぎがいっぱい~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、岡崎氏の書籍『世界最強の歯科保健指導・下巻―おもしろすぎて眠れなくなる口腔機能論―』の内容をベースに行われた。

 冒頭、岡崎氏は小児歯科専門医として40年以上にわたる小児歯科臨床のなかでいちばん大切な心構えとして、「こころに借金をして帰す」のではなく「こころに貯金をして帰す」という歯科医療のあり方について強調した。また氏が大学を卒業した当時は、いわゆる“う蝕の洪水”の時代であり、現在では小児のう蝕罹患率は減少しているものの、お口ポカンを筆頭に、歯列弓が狭い、口蓋が深い、過蓋咬合、口唇閉鎖不全、下顎位後退、クチャクチャ食べなど、口腔機能に関するさまざまな問題が多くみられることを挙げた。

 しかし、これら問題の原因や対策においてはまだ学術的に解明されていないことが多々あり、それを紐解くにあたり乳児の口腔機能の発達や離乳食の与え方、口唇閉鎖と酸素飽和度の関係、手づかみ食べや口遊びが発達に及ぼす影響など、独自の視点でかつ幅広い分野から解説がなされた。

 特に舌機能が口腔周囲に及ぼす影響に関しては、口腔の進化についてもふれ、カエルの捕食動画や、草食動物と肉食動物の歯、前歯と臼歯の役割(食べ物が変われば歯の役割が変わる)など多数の動画を交えながら紹介した。

 また、能登半島地震における避難所などでのオーラルフレイル予防や誤嚥性肺炎予防の大切さにもふれ、口腔ケアだけでなく口を閉じるアプローチの必要性についても解説がなされた。

 講演終了後の質疑応答では、今回の講演に関する質問のみならず岡崎氏の著書『小児歯科診療最前線! 子どもを泣かせない17の裏ワザ』に関する質問も多数寄せられた。終了予定時間を大幅に超過するなか、時間が許す限りていねいな解説と終始岡崎ワールドが展開された。

 本講演の振り返り配信は、2024年9月20日まで新規購入が可能である。次回のWEBINAR #53は、きたる6月26日(水)、森本太一朗氏(福岡県開業)を招聘し、「ザ・ソケットプリザベーション ~初心者でもできる低侵襲でシンプルな、骨造成~」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

 なお、今回の岡崎氏による書評も併せてご一読いただくと、より理解が深まると思われる。

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