学会|2024年7月2日掲載

「人生100年時代を切り拓く~口腔の健康を通して~」をテーマに

日本老年歯科医学会第35回学術大会が開催される

日本老年歯科医学会第35回学術大会が開催される

 さる6月28日(金)~30日(日)、札幌コンベンションセンター(北海道)にて日本老年歯科医学会第35回学術大会(山崎 裕大会長、平野浩彦理事長)が、「人生100年時代を切り拓く~口腔の健康を通して~」をテーマに開催された。

 開会式は29日(土)に行われたほか、大会長講演、シンポジウム、課題口演、一般口演、ランチョンセミナー、スイーツセミナー、スポンサードレクチャー、教育講演、海外特別講演、ポスター発表、企業展示などが企画された。また、今回は講演会場を1階に集中させ、休憩時間も十分に確保するなど、来場者がじっくりと会場を回れるような配慮がなされた。

 29日の大会長講演では、座長を水口秀介氏(医歯大大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野)が務め、山崎氏(北大大学院歯学研究院口腔健康科学分野)が「高齢者の日常診療におけるピットフォール~口腔内科学的観点の重要性~」と題して、舌痛症や口腔カンジダ症について口腔乾燥との関連を中心に解説した。

 シンポジウム6「R6年改定は私たちに何をもたらすのか?」では、座長を菊谷 武氏(日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック)が務め、まず小嶺祐子氏(厚労省保険局医療課)が今回の改定のポイントを解説した。また、猪原 健氏(広島県開業)が日本老年歯科医学会社会保険委員会の取り組みについて共有し、糸田昌隆氏(大歯大附属病院口腔リハビリテーション科、同大医療保健学部口腔保健学科)が歯科-歯科連携や栄養管理の連携についてなどを解説した。

 30日にはスポンサードレクチャー「オーラルフレイルの新定義について」が行われた。池邉一典氏(阪大大学院歯学研究科有床義歯補綴学・高齢者歯科学分野)が座長を務め、岩崎正則氏(北大大学院歯学研究院口腔健康科学講座予防歯科学教室)が「新たに整理されたオーラルフレイルの概念と評価指標(OF-5)について」と題して、日本老年歯科医学会、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の3学会合同で2024年4月1日に公表された「オーラルフレイル3学会合同ステートメント」についてOral frailty 5-item Checklist(OF-5)の項目とその活用を中心に解説がなされた。

 会期を通し1,700名を超える参加者が集まり、日頃の臨床知見を交換しあう3日間となった。

 なお、次回の第36回学術大会は、きたる2025年6月27日(金)から29日(日)に第34回日本老年学会総会と併催で幕張メッセ(千葉県)にて開催予定である。

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