社会|2024年7月1日掲載

著名なインプラントロジストらによる講演が多数行われる

第1回 ワールドインプラントサミット Japan開催

第1回 ワールドインプラントサミット Japan開催

 さる6月29日(土)、30日(日)の両日、東京ミッドタウンホール&カンファレンス(東京都)において、第1回 ワールドインプラントサミット Japan(一般社団法人日本インプラント臨床研究会創立50周年記念大会併催/田中譲治大会長)が「トップインプラントロジストによる祭典」をテーマに開催され、1,200名以上が参集した。

 1日目の午前には、(一社)日本インプラント臨床研究会(CISJ)創立50周年記念大会が行われ、骨造成や補綴咬合、矯正治療などさまざまなテーマで50名の口頭発表が行われた。

 午後には、「デジタルの活用による外科・審美のアップグレード法」をテーマとして、古谷野 潔氏(九大)を座長に迎え、小濵忠一氏(福島県開業)、植松厚夫氏(東京都開業)、勝山英明氏(神奈川県/東京都開業)が登壇。前歯部インプラント治療におけるデジタル技術の有効活用法、咬合再構成においてデジタル技術を用いた治療計画のポイント、デジタルテクノロジーの利点・欠点などが語られた。

 そして、「抜歯即時埋入・即時荷重の技術は確立したか」をテーマに、大久保力廣氏(鶴見大)を座長として、細川隆司氏(九歯大)、三好敬三氏(東京都開業)、林 揚春氏(東京都開業)、木津康博氏(神奈川県開業)が登壇。無歯顎症例の治療に関する見解や即時荷重の成功要件、エクストラワイドショートインプラント、前歯部における抜歯即時埋入と即時荷重などについて論じられた。細川氏は、「無歯顎の即時荷重症例においては上部構造のたわみや顎骨の変形が想像以上に大きいことに留意して、アバットメントの選択や上部構造の設計を行う必要がある」と述べた。

 2日目の午前には、「インプラント周囲炎は克服できるのか」について、武田朋子氏(東京都開業)を座長として、船越栄次氏(福岡県開業)、佐々木 猛氏(大阪府開業)、水上哲也氏(福岡県開業)の講演が行われた。なかでも、佐々木氏は、インプラント治療における歯周病学的配慮として歯周病原因菌の停滞部位の除去、インプラント周囲の清掃性の向上を挙げ、特にソーサライゼーションを利用した生理的骨形態の付与の仕方について解説した。

 また、午後には「インプラント50年の軌跡と今後の展望」に関して、田中氏(千葉県開業)を座長に迎え、山﨑長郎氏(東京都開業)、榎本紘昭氏(新潟県開業)、中村社綱氏(熊本県開業)が登壇。複雑な治療計画の構築方法、これまで発売されてきた多様なインプラントを用いた症例、フルデジタル化したインプラント治療などについて詳説した。

 さらに、Dr. Alessandro Pozzi(イタリア開業)、Dr. Istvan Urban(ハンガリー開業)を招聘した講演や、Dr. Maurice Salama(ルイジアナ州立大)、Dr. Irena Sailer/Mr. Vincent Fehmer(ともにジュネーブ大)によるビデオ講演も行われた。なかでもDr. Pozziは動的ナビゲーションを用いた外科的処置、Dr. Urbanは垂直的・水平的骨造成の方法について解説し、立ち見がでるほど注目を集めていた。

 そのほか、歯科衛生士セッションやポスター発表もあり、展示ブースも含め終日盛況となった。

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