社会|2024年11月11日掲載

最新のデジタルソリューションおよび歯科医師と歯科技工士との連携をテーマに

JAID総会学術大会2024開催

JAID総会学術大会2024開催

 さる11月10日(日)、品川シーズンテラスカンファレンスタワー(東京都)において、JAID総会学術大会2024(岩城正明会長)が盛大に開催された。JAID(Japanese Academy for International Dentistry)は、USC・UCLA・NYUなどの海外CEコースを修了した歯科医師が中心となって設立され、(1)卒後研修を通じて歯科臨床技能を高める、(2)海外との歯科交流の窓口となる、(3)歯科医の社会的・経済的成功をサポートする、ことを目的として結成された学会である。

 岩城会長による挨拶の後、韓国から招聘されたMoon-Seop Yum氏(韓国・ソウル開業)が登壇し、「歯科医師が直接設計に関与したサージカルガイドによるインプラント」と題して講演。サージカルガイドは手術部位を切開せず低侵襲に行え、かつ正確な位置にインプラントを埋入できるという利点をあらためて解説。その後、歯科医師がデジタルにて製作したサージカルガイドを使用してインプラントを埋入した症例を提示し、それを行うメリットを詳説した。

 次いで、Moon-Seop Yum氏の通訳も務めた森本太一朗氏(福岡県開業)が「インプラント審美治療に対して技工士と連携しデジタル技術を用いた取り組み」と題して登壇。近年はデジタル技術が発達してきており、治癒後の周囲組織を予測し、治療後の最終補綴装置を即座に提供することが可能になったと自身の症例を提示。また、口腔内スキャナーで採得したデータは歯科技工士との情報共有が容易で、長期的に審美的な結果と患者満足度につながると解説した。

 本会では招待演者として、富樫宏明氏(佐賀県開業)が「歯科DXの新展開~デジタルテクノロジーが切り拓く、歯科医療の明るい未来~」、﨑田竜仁氏(歯科技工士、株式会社CARESソリューションセンター)が「CIB補綴の説明とマテリアル」と題して登壇。富樫氏は、自院にてデジタルトランスフォーメーション化した部分について提示し、現在取り組んでいる課題として、歯科医療のメタバース化を解説。歯科医療の可能性の一つを提示した。また、﨑田氏は現在のデジタル技術の限界点を提示し、補綴装置の制作においては、すべてデジタルに頼るのではなく、アナログによる作業も必要であることを説明した。

 また、JAID会員からは松成淳一氏(東京都開業)が「すべての症例にX-Guideを。JAIDメンバーの症例から」、安岡大志氏(大阪府開業)が「XRを用いた当院が行っている院内教育の現在」と題してそれぞれ登壇。両者とも歯科医療のデジタル化が進むなか、それをどのようにして活かし、日常臨床の効率化を図っているのかを紹介した。

 なお、ランチョンセミナーでは、五十嵐 一氏(京都府開業)が「3Dナビゲーションシステムのアドバンス―仮想マーカー、Xマーク法―」、岩城氏が「NEODENTの臨床応用」、多屋紀彦氏(多屋法律事務所)が「歯科×法律サポート制度について」と題し、それぞれが講演を行った。

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