社会|2024年11月25日掲載

「唾液学・唾液検査学の創生による国民の健康増進」をテーマに

第3回日本唾液ケア研究会学術集会が開催

第3回日本唾液ケア研究会学術集会が開催

 さる11月23日(土)、神奈川歯科大学(神奈川県)において、第3回日本唾液ケア研究会学術集会(槻木恵一大会長、理事長)が、「唾液学・唾液検査学の創生による国民の健康増進」をテーマに開催され、約200名が参集した。

 日本唾液ケア研究会は、唾液の健康効果を科学的に明らかにし、臨床応用への取り組みの推進や健康効果の啓発を目的に、口腔の健康から全身の健康を目指す団体である。

 槻木氏(神奈川歯科大学環境病理学分野教授)の開会の挨拶の後、天野敦雄氏(大阪大学名誉教授・歯学研究科特任教授)の特別講演「唾液から全身を診る:身体の新たなメッセンジャー」が行われた。天野氏は資料や自身の著書などを供覧しながら、小児の口唇閉鎖不全症(お口ぽかん)や、口呼吸にともなう歯周病、口腔カンジダ症、口臭などの問題を解説。また、男女による唾液の違いについて、量や成分、ホルモンの影響など性差があることを述べ、特に女性はう蝕、歯周病、ドライマウスのリスクが男性より高いため注意が必要とした。そのほか、唾液で歯周病診断、がん診断、NCDs診断、老化測定などができることを説明した。

 続いて「いい唾液の日記念イベント」と題し、唾液ケア推進への貢献や優秀な論文を発表した臨床家と研究者に対し表彰が行われ、唾液関連歯科医療推進者表彰では山本典子氏(歯科衛生士、銀座セントレ歯科)、唾液関連優秀論文表彰では小川裕子氏(薬剤師、帝京平成大学薬学部膜機能ユニット准教授)、坂本瑞樹氏(九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野助教)、兵藤藍子氏(岡山大学病院口腔外科・顎口腔再建外科部門医員)平井亮佑氏、(医師、岡山大学病院消化器内科医員)、南 香奈氏(助産師、金沢大学医薬保健研究域保健学系助教)らが表彰された。

 その後、シンポジウム「唾液分泌低下の検査・診断・治療」が行われ、高木幸則氏(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔診断・情報科学分野准教授)の座長のもと、北川雅恵氏(広島県勤務)、伊藤加代子氏(新潟大学医歯学総合病院口腔リハビリテーション科講師)、高木氏が登壇した。

 その他、企業フォーラム、ランチョンセミナー、トピックス講演、ポスター発表など多彩なプログラムが組まれ、大盛況のうちに閉幕した。

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