社会|2024年11月25日掲載
「翔(と)びたて! グルーバルな舞台で活躍する力」をテーマに
(一社)日本歯科医学会連合、国際活動委員会フォーラム2024を開催
さる11月24日(日)、国際活動委員会フォーラム2024(一般社団法人日本歯科医学会連合、住友雅人理事長)が、「翔(と)びたて! グルーバルな舞台で活躍する力~国際社会でのリーダーシップを目指して」をテーマに、Web配信にて開催された。本フォーラムは、国際社会でリーダーシップを発揮し、グローバルに活躍する歯科人材の育成を目的としたもの。
住友氏の主催者挨拶の後、柳井智恵氏(国際活動委員会委員長)の座長のもと第1部は田上順次氏(タイ、チュラロンコン大学歯学部教授)による基調講演「国際活躍人材の育成と自己形成~NationalのないところにInternationalはない~」が行われた。田上氏は、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)歯学部教授時代に多数の留学生を受け入れた経験から、留学生の論文発表は人材確保に有効であり、そのつながりから講座の若手教員を海外の大学や学会へ派遣するきっかけになると述べた。また「日本国内では成長しきれないので、ぜひ海外へ出て活動場所を広げてほしい。外に出ることで日本のことを考えるようになる」と学生や若い先生へのメッセージを贈った。
続いて保坂啓一氏(国際活動委員会副委員長)の座長のもと、第2部は小野法明氏(米国、テキサス大学ヒューストン校歯学部准教授)による招待講演「未知の世界へ踏み出す勇気~海外に眠る無限の機会を追求する~」が行われた。小野氏は、米国歯学部の仕組み、留学や米国でチャンスを掴むアドバイス、自身のキャリアや経験から実践的なアドバイスを余すことなく述べた。
第3部のシンポジウムでは、コロナ禍に中国に留学した後、米国へ2度目の留学をした芝 多佳彦氏(東京科学大学歯学部生体支持組織学講座歯周病学分野)、ドイツへ留学し2024年3月に帰国した小高研人氏(東京歯科大学歯科放射線学講座)らが自身の経験談を披露した。両者はともに、「留学は自分自身だけではなく、家族の理解や協力がなくては成し遂げることができなかった」と述べ、留学に際しては近しい人の人生やキャリアプランも考慮するべきと述べた。
その後、八田みのり氏(国際活動委員会幹事)による「グルーバル人材育成と海外留学・研修の未来におけるコロナ禍の影響分析についてアンケート報告」が行われ、コロナ禍における海外留学や研修における渡航・申請書類準備の煩雑さ、渡航時期の延期、経済的負担、生活面について大きな影響があったことが報告された。その一方で、コロナ禍での留学・研修であっても、自身の視野の拡大、キャリアアップ、人生に大きなプラスにつながるなどポジティブな感想が多く、パンデミック下であっても、その状況に柔軟に対応しながら若い先生が留学・研修をあきらめずに挑戦することが望ましいと考えられると締めくくった。
最後の第4部では総合討論が行われ、吉川一志氏と峯 篤史氏(ともに国際活動委員会委員)のコーディネーターのもと、田上氏、小野氏、芝氏、小高氏、八田氏らが聴講者からの質問にていねいに回答し、海外留学に対する有益なアドバイスが飛び交った。