社会|2024年11月27日掲載
「歯科分野の先端技術と医工連携」をテーマに
2024年度都産技研医工連携セミナー開催
さる11月26日(火)、一橋大学一橋講堂(東京都)において、2024年度都産技研医工連携セミナー(東京都立産業技術研究センター主催、日本歯科医学会連合共催)が「歯科分野の先端技術と医工連携」をテーマに開催された。
本セミナーは、東京都立産業技術研究センターが2017年度から東京都の委託を受けて、「医療機器産業参入におけるものづくり系中小企業等に対する技術的支援事業」として、臨床・研究機関や製販企業のニーズと、中小製造業のシーズのマッチングを図るとともに、技術的なサポートを行っている。その事業の一環として、新しい医療技術および医工連携開発事例に関するセミナーとして、特にものづくり系中小企業への情報提供として開催された。
会場では、住友雅人氏(日本歯科医学会連合理事長)と片桐正博氏(東京都立産業技術研究センター企画部長)による開会挨拶が行われたのち、以下のプログラムが展開された。
情報提供「東京都立産業技術研究センター医工連携コーディネータの紹介」
基調講演「命を守る『口腔健康管理』の大切さ」小林隆太郎氏(日本歯科大学東京短期大学 学長、日本歯科医学会連合将来構想推進委員会委員長)
講演1「近未来の挑戦:2040年への歯科イノベーションロードマップ」天野敦雄氏(日本歯科医学会総務理事、大阪大学名誉教授・特任教授)
講演2「歯科の常識、世間の非常識?/世間の常識、歯科の非常識?」藤井一維氏(日本歯科大学学長)
講演3「歯科産業界における医工連携」山中一剛氏(日本歯科商工協会会長、株式会社ヨシダ代表取締役社長)
講演では、それぞれの立場から口腔健康管理の重要性や歯科医療の潮流をはじめ、健康寿命延伸のための学会の取り組み、歯科医療機器開発における問題提起、医工連携の成功事例など、ものづくり系企業担当者にわかりやすく紹介された。講演終了後、小林氏がファシリテーターを務め、天野氏、藤井氏、山中氏が登壇したパネルディスカッションでは、会場からの質問に答える形式で行われた。
今回のようなセミナーをとおして、ものづくりと医療の現場の考え方や情報が共有されることで「顔の見える」関係の構築につながると思われる。医工連携の推進による国民の口腔の健康に寄与するイノベーションの創出に期待したい。