社会|2025年3月25日掲載
「Science Based Dentistry」をテーマに
スタディグループCOKI.TOKYO、特別講演会を開催
さる3月23日(日)、御殿山トラストタワー(東京都)において、スタディグループCOKI.TOKYO(吉野 晃会長)による特別講演会が「Science Based Dentistry」をテーマに開催され、所属歯科医師を中心に約60名が参集した。
本スタディグループは月1回のオンライン勉強会を主活動としており、それに加えて臨床歯科医が知識を深め直接会してディスカッションを行う場として、各分野のスペシャリストによる特別講演会やハンズオンセミナーも実施している。今回は、天然歯の保存とセファロ分析の2テーマでプログラムが組まれ、会長の吉野氏、副会長の船木 弘氏と関 豊成氏、オーガナイザーの髙井基普氏(いずれも東京都開業)が座長を務めた。
まず、先田寛志氏(大阪府開業)が「天然歯保存の真髄」と題して登壇し、メタルフリーの歯科治療を長年実践してきたなかで、活用した各種テクニックや材料について症例を交えて解説した。また、前歯部における重度歯根破折に対する保存治療として、自身がLOT(limited orthodontic treatment)に改良を加えて考案したRET(rotative extrusion technique)を紹介し、治療の成功と安定した長期予後を得るためのポイントを詳解した。
続いて、村松裕之氏(東京都開業)が「セファロ分析の真髄」と題して登壇し、初学者にも理解しやすいようセファロ分析の歴史と変遷を概説しつつ、補綴治療における各種セファロ分析法の応用例を解説した。氏は分析値を評価する際の留意点として、上下顎の位置関係においてはANB角と咬合平面傾斜を合わせて解釈する必要があること、平均値は治療の難易度を示す指標であって目標値ではないことなどを挙げた。さらに、近年普及しているアライナー矯正治療についてもふれ、セファロ分析をとおして従来の矯正歯科治療とは異なる歯の移動メカニクスを解説した。
最後の総合ディスカッションでは、本スタディグループ顧問である内藤正裕氏(東京都開業)も交えて活発な議論が展開され、盛会のうちに終了した。