社会|2025年4月8日掲載

「ワイヤー矯正VSアライナー矯正」をテーマに

日本臨床歯科学会(SJCD)大阪支部、2025年度第1回学術大会を開催

日本臨床歯科学会(SJCD)大阪支部、2025年度第1回学術大会を開催

 さる4月6日(日)、日本臨床歯科学会(SJCD)大阪支部(大森有樹支部長)による2025年度第1回学術大会が、オービック御堂筋ビル(大阪府)およびWeb配信にて開催され、会場・オンライン合わせて355名が参加した。

 本大会では「ワイヤー矯正VSアライナー矯正」をテーマに、2つのホールの同時進行で講演が行われた。演者には同会大阪支部の所属会員に加え、外部講師として髙井基普氏、任 剛一氏、構 義徳氏(いずれも東京都開業)が招聘された。

 まず行われた「インターディシプリナリー~歯の位置がもたらす長期的安定~」のセッションでは、本多正明氏(大阪府開業)が「包括的歯科治療における矯正治療の役割」、米澤大地氏(兵庫県開業)が「インプラントと矯正」、髙井氏と任氏が「補綴と矯正」と題して登壇した。演者たちはそれぞれ、複雑な全顎治療が必要な症例に対する矯正歯科治療の併用について、審美診断に基づく各自の治療戦略を解説した。

 続いてのセッションでは、構氏が「A paradigm shift in orthodontics」と題して登壇し、補綴治療の前処置として短期間で高精度な矯正歯科治療を可能にするゴムメタルワイヤーのメカニクスについて解説した。しなやかで復元性の高いゴムメタルワイヤーの特性から、非抜歯症例における排列スペースの確保、他装置併用による歯列弓側方拡大における実践ポイントを、症例を交えて詳説した。

 髙井氏と任氏は午後の最終セッションで再度登壇し、「ワイヤー矯正とアライナー矯正の境界線」と題して講演した。両氏は補綴治療と矯正歯科治療の視点から両装置の利点と注意点を挙げ、「装置により治療結果が異なることを考慮したうえで、患者にとってメリットのある選択肢を提案することが重要である」とまとめた。

 そのほか、「複雑な症例の矯正治療」「MTM・LOT」「ワイヤー矯正のメカニクス・ベーシックテクニックを学ぶ」「教えて欲しい! アライナー矯正のノウハウ」など多彩なプログラムが組まれ、盛会のうちに終了した。

 なお、第2回学術大会は、きたる8月3日(日)に「衛生士祭り」と題し、同会場およびWeb配信にて開催予定である。

関連する特集