超高齢時代の歯科診療 2020年11月号掲載 第10回:前頭側頭型認知症の特徴とケアのポイント 後で読む 「もっともケアが難しい」認知症 前頭側頭型認知症は、その名のとおり主に前頭葉と側頭葉が障害される認知症です。4大認知症の中ではもっとも患者数が少ないため、臨床で遭遇する機会は少ないかもしれませんが、特徴を知っていないと対応に苦慮する認知症です。 比較的若い年齢(基本的には65歳以下)で発症するため、家族の戸惑いも著しく、認知機能が低下しても体力があり、行動の制御が困難です。また、疾患の特徴である前頭葉症状があるため、他の疾患で上手くいくケアであっても、その方法論がまったく通用しません。前頭... 野原幹司 のはら・かんじ 大阪大学大学院歯学研究科 高次脳口腔機能学講座 顎口腔機能治療学教室 准教授 専門分野は、摂食嚥下障害、栄養障害、音声言語障害、睡眠時無呼吸症、口腔乾燥症 ※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。