2022年8月号掲載
歯科医師ではない組織代表、国政へ
山田氏に期待する歯科界の課題は山積している。その中でも今回の選挙前に注目を集めた「国民皆歯科健診」は、具体的かつ本格的な議論はこれからである。特に留意してほしいのは、歯科診療の現場の意見である。臨床現場の実情を知らない官僚主導の政策では机上の空論になるのではないか。
また、選挙後に議論が進むと予想されている「かかりつけ医」制度については歯科もかかわるのだろうか。一般的には出来高払い主体の歯科医療はなじまないと考えるが、果たしてこの議論に加わらなくて良いのか。日本医師会との関係があるだけに歯科系議員を公言する山田氏に期待したいところだ。
岸田文雄首相は今回の参院選で「黄金の3年」を得たといわれている。これからの6年間、いや次期参議院選挙までの3年間のなかで、山田氏が選挙中に訴えていた「国民皆保険制度維持のために、国民の体を口の中の健康から守る」という公約について、どう実現への道筋を示されるのか。歯科界全体で注視したい。