トピックス 2013年12月8日掲載 <font color='green'><b>第5回JDA学術講演会「現代の総義歯印象法を整理する」開催</b></font> 後で読む さる12月8日(日)、TKPガーデンシティ竹橋(東京都)において「第5回JDA学術講演会「現代の総義歯印象法を整理する」(スタディグループJDA〔Japan Denture Association〕主催、阿部二郎代表)が開催された。本講演会は、「下顎総義歯吸着理論」に関する多くの著書・論文で著名な阿部二郎氏(東京都開業、東北大大学院歯学研究科臨床教授、神歯大顎咬合回復補綴医学講座客員教授)が代表を務める「JDA」による、5回目のオープン学術講演会。2009年以来、例年12月に行われている本会であるが、今回もほぼ満席となる盛況であった。以下に、演題および演者を示す。 ・「無歯顎印象の歴史」(阿部氏) ・「総義歯印象の基本となるコンパウンドを用いた術者主導型印象法」(遠藤義樹氏、岩手県開業) ・「河邉義歯における最終印象の考え ~臨床そしてラボとの連携~」(奥森直人氏、神奈川県開業/戸田 篤氏、Dental Design Days) ・「下顎総義歯の吸着を目的とした閉口機能印象法」(佐藤勝史氏、山形県開業) ・「BPSにおける閉口機能印象の有利点」(佐藤貴映氏、埼玉県開業) ・「治療用義歯を用いての機能印象法―6つの維持力と機能解剖の理解から―」(津島克正氏、青森県開業) ・「インプラントオーバーデンチャーの印象採得」(亀田行雄氏、埼玉県開業) 今回の企画は、諸派によって培われてきた総義歯の印象法について公平な視点から俯瞰し、それを基に参加者それぞれのスタイルに合った印象法を考えようというもの。まずは1930年代のGysiによる石膏印象から現在のシリコーン印象に至るまでの歴史を概観し(阿部氏)、その後Boucherらによるコンパウンド印象法(遠藤氏)、河邊清治氏(故人・東歯科大教授)による機能的咬座印象法(奥森氏/戸田氏)、上述の「下顎総義歯吸着理論」のための印象法(佐藤勝史氏)、BPS(Biofunctional Prosthetic System,Ivoclar Vivadent)が規定する印象法(佐藤貴映氏)、深水皓三氏(東京都開業)が提唱する臼歯部フラットテーブルを用いた治療用義歯による印象法(津島氏)、そして最後に、亀田氏が自ら考える、インプラントオーバーデンチャーにおける口腔機能向上を念頭においた機能運動を併用した印象法(亀田氏)が相次いで示された。その後の質疑応答も活発に行われ、衰えを知らない総義歯へのニーズが感じられる1日となっていた。