2013年12月15日掲載

「進歩する歯内治療~診査診断、マテリアル、メソッドの進歩とその臨床効果の実際~」をテーマに

<font color='green'><b>第6回STEP発表会開催</b></font>

<font color='green'><b>第6回STEP発表会開催</b></font>
 さる12月15日(日)、福岡県歯科医師会館(福岡県)にて、第6回STEP発表会(田中秀樹主宰)が「進歩する歯内治療~診査診断、マテリアル、メソッドの進歩とその臨床効果の実際~」をテーマに開催され、250名が参集し盛会となった。  今まで、ともに田中秀樹氏(福岡県開業)が主宰・顧問を務めるスタディグループ「TEP」と「秀志会」の合同発表会というかたちをとってきたが、今回からSTEPと命名し新たなスタートをきった。その第一歩となった本発表会では、まず手島 将氏(福岡県開業)による開会の辞の後、田中氏が挨拶に立ち、歯科治療の基本で、かつさまざまな材料・機器の登場により大きく変わろうとしている歯内治療について、初心に帰ってその基本を勉強し、診断力を身につけることで「歯を守る」という原点に立ち返ろうと述べた。  午前の部では、手島氏の座長のもと、シンポジウム1「ここだけは押さえておこう!歯内療法」が開催。今村英之氏(福岡県開業)、井上育子氏(福岡県勤務)、円林秀治氏(佐賀県勤務)、吉田朋洋氏(福岡県開業)の4氏がリレー形式で講演し、根管解剖から、術前の診査・診断、根尖へのスムースなアプローチ、歯根形態をイメージした拡大・根充、根尖部におけるアプローチまで、歯内療法のベーシックをわかりやすく紐解いた。  つづいてシンポジウム2では、荻野真介氏(福岡県開業)が「歯内療法におけるCBCTの有用性~想像の世界からSTEP UP!~」、今井 光氏(福岡県開業、PABC所属)が「CBCTを利用した感染根管処置症例~下顎第二大臼歯に対するアプローチ」、中富研介氏(福岡県開業、R2所属)が「エンド‐ペリオ病変の診断と治療」、葉山揚介氏(福岡県開業)が「歯内療法におけるNiTiロータリーファイルの活用法~根管清掃のSTEP UP~」と題してそれぞれ講演。臨床例を通じて最新マテリアルの利点を述べる一方で、歯内療法の原理原則の重要性を強調した。  午後の部では、荒木秀文氏(福岡県開業)の座長のもと、シンポジウム3が行われ、宮園香樹氏(福岡県開業)が「動画で見る!マイクロスコープを用いた歯内治療」、長富浩一郎氏(長崎県開業)が「歯内療法におけるCBCTとマイクロスコープの有効性」と題し、動画を多用したわかりやすい講演が行われた。費用対効果の問題については、マイクロスコープを使用することで患者の信頼が得られることが一番のメリットとした。  最後に、特別講演の演者として招聘した月星光博氏(愛知県開業)が「若年者の歯髄処置方針―Young Dental Pulp, You Only live Twice―」と題して登壇。外傷を受けた若年者の歯髄では、その治癒力を期待した処置方針が望まれることから、アペクソジェネシス、アペキシフィキケーション、パルプ・リバスクラリゼーション、トランジエント・アピカル・ブレイクダウン、パルプ・リジェネレーションについて多くの症例を通してくわしく解説した。なお、本講演内容の一部は、ザ・クインテッセンス誌2014年2月号にて掲載予定である。  各シンポジウム、特別講演後にはディスカッションも行われ、会場からも熱心な質問が寄せられた。最後に、安東俊夫氏(福岡県開業、PABC主宰)、徳永哲彦氏(福岡県開業、R2主宰)らが総評し、松尾康平氏(福岡県開業)が閉会の辞を述べた。歯科治療の根幹をなす歯内治療の原理原則から最新マテリアルの活用法までが網羅された本発表会。参加者らにとってステップアップにつながる1日となった。

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