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学会|2021年10月6日掲載

(公社)日本老年精神医学会(公社)日本補綴歯科学会

医科歯科連携によるECCOプロジェクトが開始

プロジェクトについて説明する馬場一美氏。
プロジェクトについて説明する馬場一美氏。
 9月7日(火)、(公社)日本老年精神医学会(池田 学理事長)と(公社)日本補綴歯科学会(馬場一美理事長)によるプレスセミナーならびに、共同調印式がWeb配信にて開催された。

 まず、池田氏より日本老年精神医学会の概要説明が行われ、老年精神医学に関する分野の科学的研究の進歩・発展・普及を図る活動や、わが国の老年精神医学の発展への寄与を目的とした法人であることが紹介された。次にFDA(米国食品医薬品局)に承認された初のアルツハイマー病の疾患修飾薬である「アデュカヌマブ」について概説。疾患修飾薬とは、疾患の進行そのものに働きかけることができる薬であり、アルツハイマー病の原因である異常タンパク質「アミロイドβ」を取り除く効果があるとされ、進行を遅らせることを目的とした従来薬との違いを強調した。また、今後の課題として、専門医、専門医療機関の充実と地域偏在の解消を挙げ、「質の高い医療を提供できる環境を整えたい」と述べた。

 続いて馬場氏より、日本老年精神医学会と共同で咀嚼機能回復、食支援、栄養摂取を介した認知症対策「認知機能と口腔機能に関する医科歯科連携研究プロジェクト」(略称:ECCOプロジェクト)について解説された。本プロジェクトは、認知機能と口腔機能の低下による機能障害や歯周病などの口腔疾患との相関関係に関するエビデンスを医科歯科連携により共創することを目的としている。馬場氏は、本プロジェクトを通じて健康長寿の実現、ひいては社会的最重要課題である医療費削減に寄与したいとし、プロジェクトの今後に期待を寄せた。