2016年1月10日掲載
初めてメンバーのみのオープン例会を開催
Ziel NAGOYA 4th Open Meeting開催
(1)「Considerations for the Appropriate Opacity Control」(渡部正己氏、Master Dental Service)
現在、オーストラリアのシドニーの院内技工所に勤務する渡部氏は、日本時代に行っていたオパシティコントロール法と渡豪してから身に付けたオパシティコントロール法の違いを、それぞれの築盛レシピを比較しながら紹介した。
(2)「Initial CST powderの優位性―Easy base shade matching―」(戸田辰也氏、サンデンタルラボラトリー)
セラミックスの経験が浅いことから「安定してVITAシェードに合わせることができなかった」という戸田氏が、CST(クロマシェードトランスルーセント)を使用することで安定して狙ったシェードを再現できるようになったという経緯と、CSTを使用する際の注意点を紹介した。
(3)「私の考えるシェードマッチング法」(松田健嗣氏、小野寺歯科医院)
院内ラボに勤務する松田氏は、過去に自身の行ったミスケースを紹介。なぜミスしてしまったのかを考察し、それに対する対処法を紹介した。
(4)「臨床的歯冠形態の検証―周囲組織の安定を目指して―」(近藤悠司氏、Studio悠)
近藤氏は、補綴後の歯周組織の安定をテーマに、「歯科技工士も知っておくべき文献的な観点からの歯周組織の知識」「プロビジョナルレストレーションのカントゥアの最終補綴物へのコピー方法」「臼歯部インプラント補綴時の歯冠形態の提案」という3つの項目を紹介した。
(5)「前歯部修復における形態を決定するうえでの一提案」(峯崎稔久氏、ZAHN DENTAL LABORATORY)
峯崎氏は、前歯部の補綴物を製作する際、「本来であれば反対側同名歯をシンメトリーにすることが理想」としながらも、「実際の臨床では患者固有の歯列はさまざまで、シンメトリーにできるケースの方が少ない」と述べた。そして、その中で氏がどのように歯列全体のバランスを見て形態を決めているのかを解説した。
(6)「上顎インプラントフルブリッジにおける材料選択の一提案」(吉田武尊氏、カスプデンタルサプライ/カナレテクニカルセンター)
日々の臨床の中で、インプラント上部構造を製作する機会が多いという吉田氏は、自身がインプラント上部構造の歯冠材料として使用している硬質レジン「セシードN」(クラレノリタケデンタル)の優位性と使用方法について紹介した。
(7)「インプラント印象採得におけるインプラント間距離への一考」(三浦大輔氏、ハナキューデンタルラボ)
口腔内のインプラントの位置関係を模型上にトランスファーする際、口腔内のインプラントをレジンで繋いた上で印象採得を行う方法があるが、その際にインプラント間距離がどの程度精度に影響を与える可能性があるのかを、使用するレジンの経時的な収縮率という点に着目し、実験・考察を行った。
(8)「グレーズ材における蛍光性が及ぼす影響の検証」(鈴木翔太氏、DENTAL. STAGE)
鈴木氏はIPS e.max Pressシステム(Ivoclar Vivadent)に22種類存在するグレーズ材において、FULOのみが蛍光性を有することに着目。蛍光性を付与することによる影響も考慮し、2種類のグレーズ材の選択方法を提案した。
(9)「より高い審美性、効率性のための『e.max Press LT使用術』」(川村真一氏、FORTE LUX)
川村氏はIPS e.max Pressシステムのカットバック法において、過去に発表された文献をベースにした透過度を重視したインゴットの選択方法、およびフレームのカットバック法について解説した。
(10)「The difference of approach―ステインする派? しない派?―」(鈴木宏輔氏、サンデンタルラボラトリー)/(鬼頭寛之氏、CURA ESTHETIC DENTAL CENTER)
同じInitial陶材を扱う鈴木氏と鬼頭氏であるが、インターナルステインを使用するか否かでその製作ステップは大きく異なる。本講演では2人の演者が交代しながら、それぞれの製作法のメリットとデメリットを紹介した。
また本講演会においては、スマートフォンのアプリケーションである「LINE」を活用して聴講者から質問を募集するシステムが採用され、実際の質疑応答の時間には実際にLINEに送られた質問に対して演者が回答を行っていた。なお、会の最後には、川村氏が新会長に就任することが発表されている。