2016年1月16日掲載
歯科・口腔外科領域を牽引しつづけてきた著者陣が一堂に会する
『イラストでみる口腔外科手術』全4巻刊行記念パーティー開催
本書は2007年に企画され、全4巻を刊行するのに9年の歳月がかけられている。その背景には、野間弘康氏(東歯大名誉教授)がすべての手術手技をわかりやすいイラストに仕上げていくための労力と時間が必要になったからである。その特長として、(1)すべて科学的根拠に基づいて記述する(2)人体にメスを入れる際の「道しるべ」となる口腔顎顔面領域の外科解剖を詳細にわかりやすくイラストで図説する(3)実際に手術を遂行するうえで、どの手術にも共通な基本技術をイラストで解説する(4)個々の手術術式の解説においては、平板な術中写真の代わりにイラストを見ながらイメージシミュレーションができるように構成する――という企画のもと制作されている。それぞれのイラストについても術者の目線から描かれており、手術手技がわかりやすく示されている。口腔外科医を目指す若い先生方にはなくてはならない書籍となり、売れ行きも好調となっている。
会場には、編集委員を務めた野間氏、栗田賢一氏(愛院大歯学部顎口腔外科学講座教授)、木村博人氏(弘前大大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座教授)、瀬戸晥一氏(脳神経疾患研究所附属総合南東北病院口腔がん治療センター長)、福田仁一氏(新百合ヶ丘総合病院歯科口腔外科)、山根源之氏(東歯大名誉教授)、朝波惣一郎氏(国際医療福祉大客員教授)をはじめ、わが国の歯科・口腔外科領域を牽引しつづける歯科医師が多数参集した。
挨拶の中で、日本口腔外科学会理事長の栗田氏は、「野間先生がイラストを集中して描きすぎたため、背中が丸まってしまった」とユーモアを交えながら会場を沸かせるとともに、野間氏の労をねぎらった。また、瀬戸氏は日本が東南アジアの口腔外科領域を引っ張っていく必要性を力説したうえで、後世に語り継がれるべき成書として本書の英語版の発行を訴えた。