2021年11月16日掲載
東京医科歯科大学教授・松尾浩一郎氏を招聘
S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催
松尾氏は講演の中で、2018年に保険収載された「口腔機能低下症」を中心にそれぞれの診断基準や対応について解説。口腔機能と栄養の関係では、残存歯数が少ないと摂取食品の制限から栄養バランスの悪化を引き起こすといった文献をはじめ口腔機能低下症の解説動画を紹介するとともに、基礎疾患と栄養状態の把握の重要性を強調した。また、高齢者と口腔、食の課題を挙げ、噛み応えを感じてしっかり栄養を摂るカムカム弁当を食べながら、楽しく口の健康意識を高め、食と健康の行動変容を促すプログラム「カムカム健康プログラム(KKP)」の提案とその取り組みを披露した。
その後、鈴木宏樹氏(篠栗病院歯科)によるメンバー講演「口腔機能低下症患者に対応した1例」が行われた。鈴木氏は、実際に口腔機能低下症の患者さんに対応した症例を供覧。歯科医療のゴールを疼痛の解消や見た目の改善に設定するのではなく口腔機能全体を診ることの大切さを強調した。
なお、次回はきたる12月21日(火)、外部講師に松田謙一氏(大阪府開業)を招聘し、「その義歯が必要な理由を説明できますか?」をテーマに開催される予定。