学会|2024年7月16日掲載

「3Dプリンティングが拓く矯正治療の未来」をテーマに

日本3Dプリンティング矯正歯科学会、第3回学術大会を開催

日本3Dプリンティング矯正歯科学会、第3回学術大会を開催

 さる7月14日(日)、ブリーゼプラザ(大阪府)において、日本3Dプリンティング矯正歯科学会・第3回学術大会(日本3Dプリンティング矯正歯科学会主催、有本博英大会長、山口修二学会代表理事)が、「3Dプリンティングが拓く矯正治療の未来」をテーマに開催された。本学会は、マウスピース型矯正装置や口腔内スキャナー、CADソフトウェア、高精度3Dプリンタなど新技術の登場により大きな変革期を迎えている矯正歯科において、デジタル技術とその矯正歯科臨床への導入、そして企業との連携について学び、語る場となっている。

 本学術大会では特別講演としてHongsheng Tong氏(アメリカ開業、InBrace主任発明者・共同創設者・主任臨床顧問)による「Automated Extraction Space Closing with Programmed, Non-siding Mechanics(プログラム化されたノンスライディングメカニクスによる自動化された抜歯スペースの閉鎖)」、Alfred Charles Griffin III氏(矯正歯科医、ハーバード大歯学部非常勤講師、LightForce共同設立者兼CEO)による「The challenges and clinical value of 3D printed braces(3Dプリントブラケットの矯正歯科治療における課題と臨床的価値)」が行われた。InBrace、LightForceのいずれもカスタマイズに特化した舌側矯正システムであり、前者は3D治療シミュレーション、後者は3Dプリンティングシステムを備えている。この2名の来日講演は初めてで、医療・ビジネスとしてどのように成功し、先端技術が活用されているかに、聴衆の耳目が集まった。

 また午後からの依頼講演では、宮﨑邦夫氏(医師、リノクリニック東銀座[東京都])による「3Dプリンティングで短縮するOGSプランニング」、難羽康博氏(歯科技工士、デンタルCADデザインスクール アスパイア)による「フリーソフトでアライナー~フリーのサージカルガイド・デザインソフト[ブルースカイプラン]に含まれる[アライナー・モジュール]の紹介とデザイン・デモ~」、渡邉佳一郎氏(徳島大助教)による「3Dプリンティング技術を駆使した安全な埋伏歯開窓・牽引法」、間所睦氏(東京都開業)による「3Dプリンティング技術で拡がる新しい矯正臨床とその留意点」、平岡孝文氏(東京都開業)による「Additive Manufacturing in Orthodontics 矯正歯科医と歯科技工士で描く未来」が行われた。いずれも機知に富んだアイデアと探求心をもってデジタルおよび3Dプリント技術を臨床に活用した実例が共有され、最後の演者全員がそろうパネルディスカッションでは、聴衆から多くの質問が寄せられた。

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