社会|2024年7月22日掲載

木村英隆氏が「歯を救う歯周治療~歯周基本治療と歯肉剝離掻爬術を中心に~」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第55回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第55回WEBINARを開催

 さる7月19日(金)、木村英隆氏(福岡県開業)によるWEBINAR #55「歯を救う歯周治療~歯周基本治療と歯肉剝離掻爬術を中心に~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、木村氏の書籍『改訂版 スーパーベーシック ペリオドントロジー』の内容をベースに行われた。

 冒頭、木村氏は歯周治療の目標と治療を成功させるための要所について言及。目標として、「まずは歯周病の進行を止めること、そして理想は失われた歯周組織を再生させること」と述べた。また要所については、1つの代表的な論文を紹介し、「もっとも大きな歯周治療の成功のカギを握るのは患者さんの日々のプラーク除去」と述べ、治療の成功は術者だけでなく患者さんの協力が不可欠であることを説明した。

 次に、スケーリングとルートプレーニングの定義とともに、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)における歯肉縁下プラーク除去の目的およびSRP処置に欠かせない超音波スケーラーの正しい扱い方が詳説された。また、注意事項として効率良く歯石除去を行うためにも先端が摩耗したチップは速やかに交換することを推奨した。

 続いて、歯周外科治療のなかでも根尖側移動全層弁歯肉剝離掻爬術も含めた、歯肉剝離掻爬術(FOP)における切開・剥離・掻爬・縫合に至るまでのポイントが、文献や動画を交えながら余すことなく披露された。その後も、術式の長所と短所や歯周外科手術後の投薬の注意事項、診査・診断からメインテナンスまでの治療の流れが共有された。

 講演後の質疑応答では、部分層弁を採用する際のメリットや選択基準などが深掘りされ、木村氏はていねいに回答。歯肉に一定の厚みが必要であることや移植片を受容床に定着させるための成功ノウハウなどが解説された。そして最後は、「本書でまずはベーシックを習得し、難度の低いFOPからチャレンジしてより実践的な治療を学んでいただきたい」とのメッセージで締めくくられた。

 本講演の振り返り配信は、2024年10月19日まで新規購入が可能である。次回のWEBINAR #56は、きたる8月8日(木)、岡野修一郎氏(Aligner Studio)、南舘崇夫氏(福岡県開業)を招聘し、「THE ALIGNER ORTHO : CASE 5 ~ 重度叢生の小臼歯抜歯症例review~」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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