東京科学大学（Science Tokyo）、創立記者会見を開催

　さる10月1日（火）、東京科学大学大岡山キャンパス（東京都）において、国立大学法人東京科学大学（Institute of Science Tokyo、大竹尚登理事長／田中雄二郎学長）による創立記者会見が開催され、多数の報道関係者が参集した。本会見は、東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、東京科学大学が設立されたことによるもの。会場では大竹理事長や田中学長をはじめ、理事および執行役の紹介が行われた。

　開会後、初代理事長に就任した大竹氏は冒頭の挨拶のなかで、「医科と歯科、そして工業の3つを『科学』の2文字に収斂し、気持ちを1つに船出した」と述べるとともに、1）地球との調和、科学技術との共生、2）科学技術の進歩、3）情報の利活用――の3つの変化に対応でき、世界最高水準の研究と教育を行う大学として「社会とともに新たな価値を創造し、社会に還元することができる人材を育成したい」と今後の大学運営の方針についても語った。

　引き続き、初代学長として就任した田中氏は「社会の課題の解決には、医歯学と理工学の融合によるイノベーションが必要である」と述べ、研究面に注力していくことを強調。3つの研究組織「総合研究院」「未来社会創成研究院」「新産業創成研究院」を創設するとし、「社会に開かれた大学として学びの場をつくっていきたい」と述べ、日本の国立大学法人の初の試みとなる理事長と学長の2トップ体制について、「この体制自体が1つのイノベーションになるように頑張ってまいりたい」とまとめた。

　大竹氏が理事長として経営を含めた大学全体のフレームワークを描き、田中氏が学長として教学を担当する新生「東京科学大学」の今後の展開に注目したい。