学会|2024年10月7日掲載

4年ぶりに対面形式で約80名が参集

日本臨床歯科学会東京支部 2024年度テクニシャンミーティング開催

日本臨床歯科学会東京支部 2024年度テクニシャンミーティング開催

 さる10月6日(日)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都)において、日本臨床歯科学会東京支部2024年度テクニシャンミーティング(日本臨床歯科学会東京支部主催、大河雅之会長)が4年ぶりに対面形式で開催され、歯科技工士を中心に約80名が参集した。

 本ミーティングは、日本臨床歯科学会(Society of Japan Clinical Dentistry〔SJCD〕、山﨑長郎理事長)の東京支部が例年開催している、同支部所属の歯科技工士のための発表の場。例年、同学会所属の著名歯科技工士や気鋭歯科技工士、ときには歯科医師が登壇することで注目されている。

 最初に登壇したのは「イリュージョン効果による審美修復」と題して講演を行った上林 健氏(歯科技工士・ナチュラルセラミック)。補色対比、明度対比、膨張・収縮、面積効果、進出・後退といった目の錯覚を利用した各効果について述べたうえで、セラミックワークにおけるそれらの使用例について、実際の臨床ケースを用いて解説した。

 続いて登壇したのは「Virtual Articulator の基本操作と臨床応用」と題して講演を行った高橋 健氏(歯科技工士・Smile Exchange)。CADソフトウェアのVirtual Articulatorについて、「フェイスボウトランスファーは可能なのか?」「アナログの咬合器のように動かせるのか?」「デジタルならではの便利機能はあるのか?」という3つのテーマの下、会場に持ち込んだCADソフトウェアを実際に操作しながら解説した。

 午後に入り、最初に登壇したのは「サージカルガイド製作を行う利点とラボサイドワークの要点」と題して講演を行った中村悠介氏(歯科技工士・Dental Lab Benefit Technology)。「インプラントメーカーが限定されない」「設計やシミュレーションのみであれば無料で、STLデータ作成時に請求が発生する」という特長をもつBlue Sky Plan(Blue Sky Bio)は、コマーシャルラボとしてコスト的にメリットが大きいとしつつ、その使用方法を解説した。また、インプラントポジションの最終決定は、歯科技工士ではなく歯科医師が決めるべきであると強調した。

 最後に登壇したのは「AIRWAY DENTISTRY and MTAP」と題して講演を行った土屋 覚氏(歯科技工士・DENTCRAFT studio)。土屋氏は、まず、2022年度のテクニシャンミーティングで講演を行った阿部倫一郎氏(青森県勤務)、西 高広氏(歯科技工士・LaLuce design work’s)を紹介。2人はそれぞれ、以前プレゼンテーションを行った症例の経過報告を行った。その後、airway dentistry(顎位、咬合、歯列と睡眠時無呼吸症候群の関連を取り上げる歯科の分野)に取り組んでいる演者が、進化版包括的歯科医療と称して、顎位・咬合・審美・睡眠時無呼吸症候群などをトータルで治療している症例を紹介。歯科治療によって睡眠障害が劇的に改善したデータを提示しつつ、健康な呼吸を得ることは健康な身体を得ることに繋がると述べた。

 なお、それぞれの講演終了後にはディスカッションの時間も設けられ、講演内容自体はもちろん、臨席したSJCD所属の有名歯科技工士や歯科医師によるアドバイスやヒントも多く得られ、充実した1日となった。

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